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【Q&A】どうしたら自分のことを好きになれますか?

Q. 仕事でもプライベートでも、自分に自信が持てず、ことあるごとに自分を責めてしまい、落ち込んでしまいます。どうしたら自分のことを好きになれますか?

ご質問ありがとうございます。
メザニンでカウンセラーをしています、幸村です。

「ことあるごとに」というところで、ほんのわずかな事でも、あなたが自分のことを責めて辛くなっていることが伝わってきます。
もしかしたら、あなたの中に、少しの失敗も見逃さないように目を光らせているもう一人の厳しいあなたがいるのかもしれませんね……。

でも、そうしてあなたを見張っているもう一人のあなたは、きっとあなたが「失敗しないように」心配しているだけで、それが「見張る」という厳しいやり方になってしまったのかもしれません。

心配のあまり見張っているとはいえ、「失敗しないように」見張っているということは、見方を変えると、いつも「失敗」に注意が向いている状態になっていると言えます。「失敗」に注目しているという状態は、「できていない」ところを常に意識して探している、という状態です。

このような状態は、「失敗」ばかりが際立って見えて、「できている」ことも確かにあるはずなのに、全く目に入らなくなるような、色眼鏡をかけて世界を見ているようなものです。

また、どんなにささいな「失敗」も、実際より拡大して見えて、「できている」ことは「こんな事できて当たり前」という様に縮小して見えるような、虫眼鏡を通して世界を見ているような状態にもなっているかもしれません。

そうすると、「何をやってもうまくいかない」とか「自分は何もできない」という思考に陥りやすく、「なんで自分はこんなにできないの……」と自分を責めたくなり、自信がなくなっていくのは自然なことです。

このように、実際に起きていることを歪めてしまうような眼鏡やフィルターを通して世界を捉えると、事実とは全く異なる世界が見えてしまいます。このような事実を歪めて捉えてしまう考え方の癖は「認知の偏り」の一種です。


さて、どうしたら自分を好きになれるか? についてですが、
まずは事実を歪めて見せてしまう眼鏡をかけていたんだ、ということに気づくことが大切です。もしかしたら、一回気づいても、いつのまにか眼鏡を通して世界を見ていることもあるので、その度に気づくことが大切です。

これまでは、「失敗」ばかりが際立って見えて、「できている」ところが全く見えない眼鏡をかけていましたが、その眼鏡を外すとどんな世界が見えそうですか……?
「失敗」がなくなるわけではないけれど、「できている」ところも思った以上に見えてきそうですね。また、「失敗」を拡大解釈したり、「できている」ところを過少評価する眼鏡を外したら、「失敗」も「できている」ところも、適切な大きさで捉えることができそうです。
そして、失敗はちょっと凹みながらも次へ活かし、「できている」ところは自分自身をたくさんほめて、自信とやる気につなげていくことができそうです。

また、あなたがこれまでささいな失敗に気づくことができていたという事は、観察したり注意深く見ること、気づくことができる力があるということです。
これからは、その力を「できていること」にも向けていくことができたら、あなたの強味がより良い方向へ発揮されていきますね。

では、「できていること」にどうやって気づけばよいのか、少し具体的な例をお伝えしたいと思います。

例えば「いつも通り会社に出勤した」という事実があった時、その中にはたくさんの「できている」ことが積み重なっています。

「いつも通り会社に出勤した」ということは、「朝、起きることができた」「身支度ができた」「予定通り家を出られた」「遅刻せずに出勤できた」「時間通り仕事が始められた」といった、たくさんの「できている」ことの積み重ねの上に、いつも通りのあなたがいるのです。

こんな風に、あなたが持つ注意深く見る力や気づく力で、どんなにささいな「できている」ことにも気づいていってあげてください。
そうすると、今まで見えなかった自分の一面にたくさん出会い、少しずつ自信を取り戻し、自分のことが好きになっていけるのではないでしょうか。



幸村 奈未子
公認心理師として、心理学講座講師、対面カウンセリング、電話相談、SNS相談等に従事し、様々な背景をお持ちの方のお悩みに寄り添ってきた。また、感受性が強く敏感な気質(HSP)の方へ向けて、心のケアのためのセミナーや、気持ちを分かち合う場を提供している。

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回答:幸村 奈未子
編集:メザニン広報室


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