【Q&A】職場に苦手な人がいます。冷静でいるにはどうすればいいですか?
Q.
A.
ご相談ありがとうございます。
メザニンで心理カウンセラーをしている幸村です。
怒りやイライラは、時に周りとの関係性を壊してしまうこともある、ちょっとやっかいな感情です。
怒りやイライラのみならず、感情というものは、抑えようとすればするほど、逆に大きく膨らんでしまう性質があります。
だから、あなたがなんとか怒りを抑えよう、我慢しようと頑張っているのにもかかわらず、抑えようとすればするほどイライラを感じてしまう。
さらには、抑えようとした怒りが膨らんで、ますます気持ちが高ぶることになり、相手のささいな言動に過敏に反応するようになる、やることなすこと気になってイライラする……なんて状態にもなりかねません。
そのような状態で毎日仕事をするのは本当にしんどいですね。
また、思わず感情的になってしまうご自身に自己嫌悪になっているようで、とても辛い状態だということが伝わってきます。
怒りを我慢で抑えたり、意思でコントロールしようとするのはとても難しいものがあります。
こんな時は、身体からのアプローチがおすすめです。
あなたが無理に怒りを我慢することなく、少しでも落ち着いてその方とお話ができるよう、次の方法を試していただけたらと思います。
怒りを感じたとき、
① 左手で拳を作って、ギューッと45秒間握りしめてください。
② 握った拳をほどいて、15秒間力を抜きます。
③ これを5回繰り返します。
人が怒りを感じた時は、脳の「左前頭部」が活発になり、攻撃的な行動をとりやすくなります。一方で「右前頭部」は怒りを回避する働きがあります。左手で拳を握ると「右前頭部」が活性化されます。そのため、左手で拳を握ることで、怒りの感情が起きにくくなり、気持ちが落ち着いてくるのです。
また、怒りを感じている時は、脳内でアドレナリンが分泌されています。
すると、神経が高ぶり、心拍数が上がるとともに呼吸が早くなり、興奮状態になって頭に血が上り、カッとなってしまうのです。
このアドレナリンの分泌は6秒がピークで、アドレナリンの効果がなくなる目安は40秒くらいだとされています。
そのため、45秒間左手の拳を握っているうちに、右前頭葉が活性化されるとともに、アドレナリンの効果が薄くなる時がきて、その両方の効果で少しずつ落ち着きを取り戻すことができます。
そして、握ったりほどいたりを5回繰り返しているうちに数分が経過し、かなり冷静さを取り戻すことができます。
身体からのアプローチで自然に怒りが和らぐことで、これまで怒りを抑えることに使っていたエネルギーを、仕事のパフォーマンスを上げることに向けていけるかもしれませんね。
あなたが本来の力を発揮して、イキイキと楽しくお仕事に取り組めることを願っています。
幸村 奈未子
公認心理師として、心理学講座講師、対面カウンセリング、電話相談、SNS相談等に従事し、様々な背景をお持ちの方のお悩みに寄り添ってきた。また、感受性が強く敏感な気質(HSP)の方へ向けて、心のケアのためのセミナーや、気持ちを分かち合う場を提供している。
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回答:幸村 奈未子
編集:メザニン広報室