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【Q&A】メンタルの調子が良くならなくて、焦っています。

Q.

最近、気持ちが落ち込むことが多く、自分でなんとかしたいと思い、本を読んでメンタルケアに良いと書いてあることをやってみましたが、どれも続きませんでした。このままではどんどん悪くなっていくんじゃないかと焦って、余計に調子が悪くなっている気がします。

A.

ご質問ありがとうございます。
メンタル不調があって、なんとか改善できないかと自分なりに色々と思考錯誤されてきたんですね。

色々とチャレンジしたとのことで、ここには書ききれないほどたくさんのことを試されてきたのではないかと想像します。

辛い想いをしている自分のために、良さそうなことを積極的に取り入れてあげられる、というのはとても素晴らしいことです。
でも、どれも続かなかったとあるので、もしかしたら、メンタル不調をなんとかしようとする努力そのものが心の負担になっている、そんな悪循環に陥っているのかもしれません。

そもそも、なぜ長続きしないのでしょうか。

まず、長続きしないというのは、あなたの意思や性格の問題ではありません。
メンタルが健康な人であっても、何か新しいことに挑戦するには、心(気力)・身体(体力)ともに、たくさんのエネルギーが必要です。メンタルが不安定な時は、既に気力・体力ともに消耗している状態です。

そのような時に、いくらメンタルケアに良いとされるものであっても、一度に色々とやりすぎてしまうと、それだけで心と身体のエネルギーを消耗することになってしまいます。
だからこそ、継続するところまでエネルギーが持続せず、長続きしないのはある意味自然なことです。

そして、良くなるための努力でエネルギー消耗が進んでいるため、頑張っているのになかなか良くならない、ということが出てきます。

食べ物に例えていうなら、お腹を壊している時に、いくら栄養があるからといってあれもこれも食べたら、さらに調子が悪くなってしまうのと同じことかもしれません。
お腹を壊していたら、水分はしっかり取りながら、少し食事を控えてみたり、消化に良い食べ物を少し食べて、ゆっくり身体を休めるというケアをしますよね。

メンタルケアもそれと同じで、まずはメンタル不調になるほど頑張ってきた自分を労い、心と身体をゆっくり休めてあげること。
そして、ほっと安心して過ごす時間を一日の中で数分からでも増やしてあげて、心にゆっくりと栄養補給をしてあげることが必要です。

もしメンタルケアのために何かしてあげるとしたら、一度にあれこれやるのではなく、簡単にできるものから、一つずつ試してみるのがおすすめです。

疲れていると、起きるのもしんどい時があります。それなら、カーテンを開けて光を浴びながらゴロゴロするだけでもいいですね。太陽の光を浴びると、気分や意欲に関係する「セロトニン」という脳内物質が分泌され、清々しい気持ちや気力が育まれるのを助けてくれます。

ポイントは、できることから「一つずつ、ゆっくりと」。
メンタルが不調な時は、ちょっとしたことでも、いつも以上に不安や焦りなどのネガティブな感情がわきやすくなります。
それは、心と身体が消耗しているからこその、自然な反応です。

メンタルが不調な時ほど、不安や焦りに駆られて一度に色んな事をやろうとしてしまうのは、実はよくある事です。

不安や焦りから生まれる行動は、さらに不安や焦りを生んでしまう可能性がありますが、それ自体を否定する必要はありません。なぜなら、「早く良くなりたい」という前向きな動機があるからこその気持ちだからです。

だからこそ、不安や焦りを感じたら、自分の気持ちに寄り添って、「良くなる為にも、一つずつ、ゆっくりやっていこう」と自分に声をかけてあげてください。

食べ物をゆっくり噛んで食べると消化吸収が良くなるように、メンタルケアもゆっくり一つずつやっていくと消化吸収がよくなります。
そのゆっくりとした歩みこそが、心の安定にも繋がっていきます。



幸村 奈未子
公認心理師として、心理学講座講師、対面カウンセリング、電話相談、SNS相談等に従事し、様々な背景をお持ちの方のお悩みに寄り添ってきた。また、感受性が強く敏感な気質(HSP)の方へ向けて、心のケアのためのセミナーや、気持ちを分かち合う場を提供している。

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