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サイコロゲーム

 A・B・Cの3つのチームに分かれ、サイコロゲームが始まった。サイコロを振って出た目の数だけ進み、止まったマス目のクイズに答えながらゴールを目指す。ボードゲームではなく、部屋全体がゲームに利用されていて、壁沿いに巨大パネルが設置され、それがマス目の役割を担っていた。

 先にAチームがサイコロを振り、壁沿いを歩いていく。止まったマス目には、植物や虫、海の生き物の絵が描かれていて、その名前を当てるクイズが始まった。Aチームだけでなく、B・Cチームも加わりクイズに答える。見たことはあるが名前を知らない植物などが並んでいて絶妙に難しかった。結局正解はわからないまま時間切れとなったが、罰ゲームが用意されているわけでもない。そのまま次のサイコロを振る番になる。今度はBチームの番かと思いきや、またAチームがサイコロを投げた。止まったマス目にはやはり似たような絵のクイズがあり、みんなで参加して結局わからないまま時間切れとなる。これがあと2回続いた。

 ようやくBチームの番になり、次に私が属するCチームの番になった。Cチームに出されたクイズはそれまでの絵を見て答えるものではなく、読み上げ形式のシンプルな問題だった。

「問題。ビートたけしがテレビに再出演するようになったのは、いつのどの番組?」

 変なクイズだったが、Cチームには当のビートたけしがいて、たけしは「こんなの余裕だよ」と言い本当に正解を出した。たけしって意外と記憶力いいんだなあ、と私はなぜか感心した。

 正解が出た後に、司会を務めていた堺正章が「ちょっとしょうもないこと言ってもいい?」と前置きしてから、

「まさに東京が、トウキョウになると言った感じですな」

 とたけしに向かって言ったが、誰も理解できず沈黙が生まれた。焦った堺は「いやつまり、東の京になるという意味で」と補足したが、それでも何を言っているのかわからない。これは駄洒落なのか。

 私は考えるのをやめにして、後ろを振り返った。そこにはゴールのパネルがあり、右隣には例の植物や生き物の絵が描かれたパネルが設置されている。終盤だけあってかなり難しいようだ。見たことのない芋虫の絵が4つ縦に並んでいた。それぞれ似ているが、特徴に微妙な違いがある。

 またその隣には、蟹のおいしそうな脚の絵が4つ縦方向に描かれていた。一番下の脚だけ他のよりも新鮮な色をしている。私は蟹の絵を指し、上から順に、「毛ガニ・毛ガニ・毛ガニ・ズワイガニ」と言った。すると隣にいたやつが「それは違うだろ」と言って笑った。目が覚めた。

 

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