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研究の浪漫

なんか思いついたからかなりキザなタイトルをつけてしまった。
全然浪漫のない内容になりそうでちょっとビクビクしてますが、いつものように心のままに書いていきます。

タイトル画像はみんなのフォトギャラリーからka28marさんの写真をお借りしました。

今日はあるPhDの学生の進捗報告がありました。
彼女はヒトの集団遺伝学を専門にしている。

つまり、

私たちはどこからきてどこへ行くのか

という学問である。

アフリカ大陸から人類の進化が始まったとされているが、ネアンデルタール人、デニソワ人などなど、結局どの旧人がヒト(ホモ・サピエンス)になったのかは未だ謎が多い。

ただ、最近化石からDNAを抽出できるようになったので、その化石DNAを使った解析でいろんなことがわかるようになっている。

例えば、デニソワ人の遺伝子が日本人の遺伝子の中に残っていたり。
デニソワ人とネアンデルタール人の間に子供がいたかもしれないとか言われていたり。

で、さらにこの分野が興味深いと思っているのは、研究対象がヒトであるが故に、言語学、農学と切っても切れない関係にあるところ。

ネアンデルタール人にしろ、デニソワ人にしろ、ジャワ原人にしろ、何かしらのコミュニケーションは取っていたわけで、何かしらのものを食べていたはず。

ゲルマン民族の大移動によってゲルマン語族が拡大したり、稲作が中国から日本へ伝わったり、北米とヨーロッパの間の人の行き来やジャガイモの輸出入のおかげでアイルランドでジャガイモ疫病菌が大量発生して大飢饉を起こしたり。。。

言語学や農学の歴史をたどることはすなわち人類の歴史をたどること。

そこにDNAからわかることを加えると、壮大なストーリーが出来上がる。

ここで生まれたこの民族は、おそらくここに移動して、こういう言語体系の下で周りの民族と繋がりを持ち、こういう食べ物を食べ、さらにこっちに移動することで現在のこの民族となる...みたいな。

私はというと、言語学の専門用語はほとんどわからない。
Khoi-san (コイサン)語族とか言われても、商家の次女さんかな?なんてな関西弁が頭をよぎるくらい。
Khoi-sanを話している民族がアフリカのどの部分にいるかとかか全然わからないし、さらにその中の小分類なんて呪文でしかない。

だけど、彼女の話が学問的にとても面白くて興味深いのはとてもよくわかった。そしてそこには壮大な浪漫が秘められていることも。

もちろん、コムギの研究にだって、その由来とかヒトとの関わりとか、遺伝学的な面白さも含めて、浪漫がいっぱい詰まっていて、当分飽きそうにもない

研究はこういう浪漫がたくさん詰まっているのがいいところだな、ワクワクするな、と月初から気持ちが上がった1日でした。

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