見出し画像

熊本出身の夫がとんこつじゃなくてみそラーメンを作ってくれた日のこと

「とんこつ以外はラーメンだと思えないんだよね」

これが、夫の口癖。
熊本出身の彼は、ストレート麺、にんにくたっぷりで更に黒マー油のかかった、とんこつラーメンをこよなく愛しています。まさに、ソウルフードってやつです。

一方、私は。
ラーメンといえば毎週土曜日の昼ごはんに出てきたマルちゃんのみそラーメン。乾麺じゃなくて、生麺の3食入りのやつです。ちぢれ麺で、トッピングはキャベツとチャーシューとゆで卵が必須。どうも、東北出身の両親にとってはラーメンといえばみそ、らしいです。

そんな私たちが夫婦になると、ラーメン戦争が起きるわけです。とんこつにするか、みそにするか。どちらもDNAに刻まれた味なので、なかなか譲れない部分です。

そこで、我が家には常に2種類のラーメンが常備されています。とんこつは熊本の日の出製麺の「ロン龍ラーメン」。みそはマルちゃんのみそラーメン。
ラーメンが食べたくなったら、どっちの味を選ぶか話し合い(通称「R-MTG(ラーメンミーティング」)を行います。それがルールです。

・・・

でも、
彼がこの「R-MTG」をせずにみそラーメンを作ってくれた日がありました。

それは、先週の夜中2時。
私が娘の授乳で起きたときでした。

娘は生後8ヶ月。離乳食は進んでるものの、まだまだ栄養は母乳から摂取する時期です。夜も数回起きて授乳してあげないといけない日々。
もう夜中に起きて授乳するのは大分慣れてきたのですが、時々すごく辛いのが、夜中に起きたときにお腹が空いてしょうがないとき。

人間、いつの時代も空腹が一番辛いですよね。基本的欲求の一つ、これが満たされないとやばい、多分寝れない。
でもやっぱり眠いからちょっとイライラ、早く飲み終わらないかな……って娘をのぞきこむと、半目になって必死でおっぱいを飲む顔にハッと母の気持ちを取り戻す午前2時。

はー、このままだと授乳が終わっても、お腹が空いて眠れない……どうしよう……なんか作るか……冷蔵庫にはキャベツと卵と……いや、鏡餅あるから、チンしようかな……

そんなことを頭で考えながら娘のポジションを直したとき、夫がムクっと起きて一言、「夜食、食べたいでしょ?」ってキッチンに向かっていきました。

あれ?起こしちゃった?という申し訳なさより、感謝の気持ちが勝ってキッチンの明かりに向かって「ありがとー!!」って叫んでしまいました。

そこからは穏やかな気持ちで、多分弥勒菩薩みたいな顔になって授乳を終わらせて、あの魅力的な明かりに近づいていくと、完成してました。マルちゃんのみそラーメン、キャベツとゆで卵入り。あ、チャーシューは買ってないからないけど。

夜中だから一玉は若干多いので、夫と半分ずつ分け合いながら食べました。最後の一口は譲ってくれて、こういう優しいところあるよね、ってモグモグ。

夜食にあったかいもの食べると、ほんと不思議というか当然というか、すぐ眠くなってお布団に入るとすっと眠れました。

眠りにつきながら考えたのが、
これから、娘が大きくなって大人と同じものを食べれるようになったとき、どっちのラーメンを食べるのかなってこと。
とんこつ派かな、みそ派かな。きっとパパ大好きだからとんこつ派になっちゃうのかな。

でもまた、夜中にお腹が空いたら大人だけでみそラーメン食べたいね。そのときは九州男児に作らせよう。

すやすや。

・・・
この日、朝起きたらキッチンも綺麗に片付いてて、わたしの夫完璧!って思いました。

最後まで読んでくれてありがとうございました。

いただいたサポートは、娘のタマゴボウロ代として使わせていただきます!