見出し画像

【読書ノート】『誰も教えてくれないお金と経済のしくみ』(森永康平著)

お金について、経済について、教わったことはあるだろうか。
中学、高校のときにサラッとやる程度で詳しいことは学ばない。
大学で経済を専攻した人なら、この辺はしっかり学ぶことだろう。

日本は金融教育が遅れている。
これはよく言われていることだ。だから、国は金融教育を推進したり、企業が金融教育に取り組んだりしている。

人が生きていく中で、お金とは無縁ではいられない。
生活していくためにお金は必要だ。
私は、お金が沢山あったらたくさんの幸せを得ることができると思う。もちろん幸せなんてお金で買えるものだけじゃないことは承知の上だ。

お金や経済について、普通の人こそ、よく知っておかなければならないのに、そういう大切なことは誰も教えてくれない。
自分で武器を手に入れなければ、その先に待つのは地獄だ。

新NISAが始まるとか、記録的なインフレとかによって人々のお金や経済についての関心は高い。『誰も教えてくれないお金と経済のしくみ』は、お金や経済について学びたい、という思いのある人におすすめしたい。いや違うな。学びたいという思いを持っている人だけでは足りない。そんなことはどうでもいいと思っている人にも読んでもらいたい。なぜなら、本当にそんなことはどうでもいい人は限りなく0に近いのだから。

この本では、新しいことを知ることができるのはもちろんだ。しかしそれだけではない。ニュースや新聞で言われているような、いわゆる「通説」についてもデータと著者の豊富な経験に基づいて、それが本当に正しいのかを解き明かしてくれる。

子供の頃、豚の貯金箱にお金をためていたという人もいるだろう。ちなみに私は、山手線の貯金箱だったな。お金を入れると、発車メロディーが流れる。都会感あふれる東京駅の発車メロディーが好きだったな。戻ろう。日本の貯金箱の穴は1つだ。これがアメリカの貯金箱と来たら穴が4つもあるのだという。貯金箱にそんなたくさんのイベントがあったら、貯金も楽しいだろうなと思った私はレベルが低い。それぞれ貯金の理由が違うらしい。その4つとは、「使う、貯める、増やす、寄付する」ということらしい。「寄付する」というのがいかにもアメリカらしいなと思うが、「使う」「増やす」も面白い。家庭の中でも金融教育が行われているのだろう。日本とアメリカの金融教育の差が見えたような気がした。

これは、この本を読んで驚いたことの一例に過ぎない。
インフレになってお金の価値は下がっている。けれども、入ってくるお金が対して増えているわけではないから、気持ちの中でのお金の価値は上がっている。多くの人がこのように感じているのではないだろうか。
こんな時だからこそ、武器を手に入れるためにいい機会と捉え、お金や経済について学んでほしい。

この記事が参加している募集

お金について考える

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?