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添削すること、育てること、信じること。
短歌結社「短歌人」の大先輩、蒔田さくら子さんが、懇親会の席でグラス片手にこうおっしゃったことがある。
「短歌の添削を頼まれて、直してしまうのは簡単。
そうすればその一首はいい歌になるし、直されたひとは、そういう歌の詠み方を身につけられる。
けれども長い目でみると、手直しすることがいいとも限らない。
だから、こうすればうまくなるという指導ではなく、個性を大切にするようにと言葉をかけてきた。
はじめは下手でも、ひとの真似ではなく自分の作風を確立できるように、辛抱強く取り組むひとほど、歌はうまくなる。」
蒔田さんの言葉に、短歌人に入ってよかった、と思った。
短歌人の先輩方にご意見を伺えば、心を尽くしたお返事をいただけるけれど、こうしなさいと上から言われたことがない。
短歌人でなかったら続かなかったかもしれないし、短歌人でなかったら『ここからが空』という歌集も生まれなかったのだ。
育てることは、待つこと、そして、信じること。
自分の正しいと思うことを押しつけず、相手を尊重すること。
ときに歯がゆさを抱えながらも、相手を信じて、相手の歩調に合わせること。
自分とはちがう個性をもつ ξ (息子、もちろん仮名です)と暮らしながら、
蒔田さんの言葉をかみしめています。
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