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”好き”は世界へのエントランス

いや、嵐の新曲「IN THE SUMMER」が好きすぎだった。

嵐との出会いは、10年前。

もともと、音楽を好きになったのはミスチルきっかけ。高校生の時は軽音部に所属し、短い指でギターを一生懸命練習した。当時大人気だったJUDY AND MARYのコピーバンドをガールズで組んだり、男子たちとOASISのコピーバンドをやったり。とにかく、バンド漬けの3年間だった。百歩譲ってシンガーソングライターは、いいなと思った曲もあったし、よく聞いたりもした。一番無関心だったのは、アイドルかな。

そりゃそりゃ流行っていましたよ、ジャニーズさん。私が高校生の時は、SMAPが大人気で、クラスの女子みんなきゃあきゃあ言っていた。確かに、SMAPの曲は聞いて、いいなと思うこともあったし、キムタクドラマは見ていたものもあるし、でもSMAPのメンバー全員は知らない~くらいの、本当にアイドルに見向きもしなかった高校時代。キライだったわけではないけれど、興味がなかった。

渡米してからは特にJPOPに触れる機会もなく、10年ほど過ぎたころ。ラスベガスで一部の撮影が行われたからという理由で、そして原作を読んだことがあったからという理由で、映画「花より男子」を見た。仕事熱心なツアーガイドさんは、お客さんから「どこがロケ地なの」と聞かれ、その質問に答えるために、仕事の延長のつもりで見た。そこでたまたま耳にした曲に、なぜか心を惹かれ、なぜかアマゾンでCDを買った。(今考えても不可解な行動だ。)

初めて買ったアイドルのCDである。はっきり言って、バンドものしか聞いてこなかった人間にとっては、アイドルのCDって異質だ。ジャケットも歌詞カードも、なぜあんなに顔写真がドデカく載っているのか!?なぜボーカルが一人ではないのか!?

でもCDを聞いたら、すごく良かった。そして何度も何度もリピートした。私は飽きっぽいので、たとえ大好きなミスチルのCDだって、そんなに好きじゃないアルバムは、すぐ変えてしまう。それなのに嵐のCDを2週間くらい、車中でずっと聞いて…ふと思った。「私なんで、こんなに聞き続けているんだろう?」そして、そこから1週間くらい「なぜ」を考え続けて、出した答えは…

「私、嵐が好きなんだ」

(正確には、あるメンバーの声が好きだと気付いたわけですがね。)

長いわ!3週間くらいかかってるやん。過去の自分にツッコんでやりたい。

振り返ってみれば、それまでの人生、まったくアイドルには興味がなかったわけで。興味がない=アイドルは好きじゃない!という思い込みがあったのだろうね。だから「好き 」と気付くのに時間がかかった。

この時に、私が一番感じたことは、自分の「感性の衰え」。子供の頃、十代の頃、何も考えずに「好きなものは好き」って思えたし、口にできた。それが経験や先入観によって、簡単に「好き」と思えなくなっていた。好きかも?というサインを、遮断し、否定するようになっていた。

バイアスがかかっていたということなんだろう。でも、そこに気づけたことは大きい。そして、一度バイアスを取っ払ってしまえば、あの頃の素直な自分は、まだいた。嵐が好き、から始まって、JPOPも他のジャニーズグループも聞くようになった。そして現在作詞をするようにまでなっている。ある意味、「好き」に気付いたあの瞬間、私はまだ見ぬ世界の入り口にいたわけだ。

小さな好きは、連鎖して別のスキを連れてくる。もっと違う「すき」にこれから出会う可能性も、まだまだある。私を連れて行ってくれる、新しい「好き」に出会いたいなあと思う、2020年の夏。


#作詞家 #エッセイ #嵐 #INTHESUMMER #ジャニーズ #日記



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