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【エッセイ】#16 想いよ、届け! 深夜のラブレター

 文章作成の悪手の一つに「深夜のラブレター」がある。
 なにもマジで深夜にラブレターを書いて、想い人に対して告白をしろというものではない。「悪手」というくらいなので、好ましくない文章作成方法なのだ。


 今回は、「深夜のラブレター」は書かない方がいい。ということと、超限定的な使い方だったらいいよ。というもの。最近、そんな記事などを多く見るのでちょっくらご紹介しようと思う。
 
 「深夜のラブレター」とは、文字通り、深夜に、恋する相手に対し、ラブレターを書くというものだ。多くの方は知っているとも思うが、夜には魔力が宿る。だから、相手にその気持ちが伝わりやすい・・・って、んな、訳あるかい!!

 人間は夜になると一日の疲労が蓄積し、ピークに達する。昼間は、感情よりも理性的な判断が優位に働き、社会的な活動ができるも、夜にはどうしても疲労がたまる。そうすると、どんな聖人君子であろうと昼間のような理性的な判断がつかなくなるものだ。

 人間は一日に35,000回もの判断を行うとされているため、一日の終わりの脳の疲労といったら、あなたにも想像できるだろう。そうなると夜には、理性的な判断よりも、感情が優先する。

 こういった状況で文章を書くと、感情がかなりむき出しになった文章を書いてしまう傾向がある。明け透けな感情がたっぷりと書かれたラブレターを受け取った相手は、どう思うだろうか?

 それ相応の関係性であれば、その熱愛に対してより盛り上がる可能性はゼロではない。しかし、こんなラブレターを渡されたら、はっきりいってドン引きする人の方が多い。
 
 だからこそ「夜に書いた文章は、朝に必ず読み返す」と先人たちは口を酸っぱくして言ってきた。あなたも筆が乗って、書いた文章を翌朝読んでみたら、血の気が失せるほどキモチ悪い文章を書いていた、なんて思い出もあるのではないだろうか。

 疲労がマックスになっている状態で書いた文章は、それほどまでに感情に満ち溢れる。人間という理性で感情を抑える特性を捨て、感情で生きる獣になるという、行為に等しいのだ。

 これは、文章だけではなく、電話やデートでも一緒だ。
 自らの恋に盛り上がるのはいいのだが、相手はあなたの想いについてきているだろうか? 相手の想いが同じであれば、大いに盛り上がり、あなたのささやきは熱い愛のコトバとなるであろう。

 だが、今だ友人関係の相手に盛り上がってしまったら、ただのサカリのついた猿と一緒だ。

 文章でも、電話でも、デートでも人間だからには、夜に練ったものを朝に確認せずに使うのはあなたの信頼を落としてしまう可能性があるのでやめましょう。


 一方、限定的に利用をすれば効果的ともお話をした。では、限定的な状況とはなんだろうか?
 先ほどから何度か登場しているが「相手があなたの好意やその行動をしっている場合」だ。この場合において、相手はあなたの感情的なコトバや愛を受け取り、あなたに対する愛を深めていくことだってある。恋人同士が夜の魔力によって獣のように愛するとはこの状況だ。

 相手の心のベクトルが自分に向いているという限定的な場合にかぎり、「深夜のラブレター」は届く可能性が高いのだ。あくまで可能性だが。好意を持っていたのに、熱烈な「深夜のラブレター」を受け取ることで「百年の恋も冷める」なんてことだってあるので、お気を付けて。

 どちらにせよ。夜に書いた文章や話す言葉には気を付けた方がいい。朝日の下で再度、しっかり確認をする癖をあなたにはつけてもらいたい。


 あ、私、某SNSで「深夜なのでちょっくら自分語り・・・」と発信してたわ。(笑)

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