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法人営業から、教育系NPOに転職して学んだこと①

ビジョン実現に向けて必要なパーツを手に入れたいと思ったものの…

コロナをきっかけに“教育×地域×10代”の領域への転職を考え始める。

元々“教育”領域に関心があった私。

  • 人の変化や成長に影響する環境(人との関係性、組織風土、空間など)ってなんだろう?

  • 「親だから」「先生だから」「●●だから」と全ての責任を一人ひとりが抱え込まず、家庭も学校も地域も企業も、お互いに支え合っていけるにはどうしたらいいんだろう?

という問いが高校3年生くらいから芽吹いて、その影響で教育学の専攻、教職課程の履修、社会人教育を手掛ける企業への就職を進めていきました。
1社目の会社は本当に私にとってベストな環境で、お客様・パートナーコンサルタント含めて多様な人と議論しながら企画をつくりあげたり、長期プロジェクトの中では受講者の変化・変容が目に見えたり、企画だけでなく自分自身がインタビュアーやファシリテーターとして稼働する機会を作れたりと、20代で積みたいと思っていた経験以上のことをやらせてもらえました😊

そんな私が2年目の時に描いていたビジョンがこちら。

色んな想い・才能・技術を持った人たちが寄ってたかって学び合い、支え合えれば、今よりもっと物心ともに豊かになれるのでは?と思っていた当時。この中でも特に1社目においては、大企業・中小企業の支援を通してこのビジョンを実現させるんだ、と息巻いてました。


一方で、コロナをきっかけに「本当にずっとこの領域に居続けるのか?」と疑問を抱き始めたのが正直なところ。慣れないリモートワーク、オンライン研修に翻弄される事務局さん、受講者のサポートをしながら、「(言葉は悪いけれど、、、)おじ様たちのサポートをしていても組織はよくならない、日本は変わらないかもしれない…」とふと感じてしまった時がありました。

その頃から「自分が本当にやりたかったことは何だっけ?」と考えるようになり、この絵を見ながら、「まだ見たことのない“教育×地域・学校”の領域に踏み出そう」と転職を決意。

最初は事業会社への転職を見ていたものの、やりたいことや組織のパーパスを見ているとまさにドンピシャなNPOが見つかり、1社のみに絞って選考を受け、無事に内定をいただきました👏

とんでもなく楽しい1年間。

最初に配属されたのは、10代の探究学習を支援・加速させるための事業部。高校生はもちろん、学校の先生や地域の教育プレイヤーの方々を対象に、彼らが自律的に探究学習を進めていけるようになるにはどうしたらいいか?と考えながら、コンテンツ開発から登壇、勉強会やフェスの開催、営業戦略の立案とサポートなど、色々なことを経験させてもらいました。

こうした仕事一つひとつが楽しかったのはもちろんだけれど、中でも嬉しくて新鮮だったのは、職員一人ひとりの「教育への熱量」。多様なバックボーンを持ったメンバーが集まっているものの、みんな共通して「こんな教育環境をつくりたい、あの頃の自分にこれを届けたい」と純粋な気持ちを持ちながら、日々勉強・実践しているのがカッコよかったし、その中に身を置かせてもらえているのが本当に有難かった。
仕事なんだけれど、大学のゼミのような雰囲気を感じていました^^

最初にぶつかった壁は、事業価値と目標の設定。

そんな楽しいワクワクな1年目、最初にぶつかったのは目標設定の違いでした。今までは「売上/粗利+達成シナリオの構想/実行度」が基本的な目標設定の指標だったものの、NPOなだけあって、売上/粗利が第一優先ではない。

  • 私たちは何の問題を解決しようとしているのか?(課題設定)

  • その問題に困っている人はどれくらいいるのか?(市場規模)

  • その問題を解決することは、本当に私たちNPOがやるべきことなのか?(社会的役割、自社が取り組む価値)

  • 解決に向けて、その投資は妥当なのか?(費用対効果)

などなど、お恥ずかしながら今まであまり考えたことがない観点での思考が求められました。

もちろん、前職も顧客の課題解決によって売り上げをつくる仕事だったので考える問い自体は同じであるものの、今までは目の前の「顧客(担当者/企業/業種」が対象だったのに対して、NPOでは目の前のN=1の期待に応えるのではなく、それらを俯瞰・統合した時の「社会的問題・課題」の期待に応えようとする。(と、私は感じた)

そうなった際、元々フェルミ推定や市場調査・分析が苦手な身からすると、このような問いに答えていくのがすごく苦しくてつらかった。。
こうした思考を得意とする面々と自分を比較してしまって落ち込んだり、私がここにいる意味あるのかな…と凹んだり。

1年間この事業部に属したあと別の事業部に異動することになり、そこでもまた別の壁にぶつかることになるんだけれど、転職して1年目の終わりに感じていたのは、

「ビジョン実現のために必要な場所に身を置いた!一方で、私自身はどんな立場・役割でこの絵の実現に貢献したいんだっけ?」

ということ。

社会課題を設定する側に回りたいのか。
社会課題を代表するN=1に寄り添っていきたいのか。
課題解決に邁進する人をサポートしたいのか。
課題そのものを広報し認知を広めていくことをしたいのか。

転職する前はあまり考えてこなかった、見えていなかった視点を手に入れた1年目でした。

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