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盂蘭盆会二題(その2)ーはるか地蔵盆のまえに #詩のようなものになりたかったもの

オレが憎むのは 夜ふけに歌いだすせみのゴスペル 蛍光灯のチック症に 蛾のフラダンス それに 汗で生乾きの肌着

奪衣婆だつえばが のぞまぬものばかり
オレの生皮なまがわが重すぎて 衣領樹いりょうじゅが 折れはてた と怒る懸衣翁けんえおうの愚痴をきいても うすら笑うだけ
オレの罪業のは深すぎて お釈迦さまでも閻魔えんまさまでも
深海探査艇でも 気がつくめえ

自分では 大天使ミカエルよりも清らかだと言いふらしてるが だれ一人きく耳もってねえ

お地蔵さんに ベル薔薇ばら(新品種です)を手向たむけけても なんにもなりゃしねえって 

地獄めぐりのバスが走る 牛頭馬頭ごずめずたちが やたら脅すけど
そんなツアーコンダクターのことなんぞ 給料分の仕事をしてるだけだってんだ

それがどうした 勝手にしゃがれ!
奪衣婆にまみえる前に 
地獄に恐れ 天人五衰てんにんごすいを嘆く まつろわぬ現世うつしよから来たんだぞ

残酷な天使の命題を まだ解いてないのか!