忘れられない仕事

私は20代の頃、小さなバーで仕事をしたことがある。

色んな人と出会えたことはとっても貴重な時間だった。普段会えない人がランダムに集まるあの職場は、昼間の仕事では到底考えられない。

でもたまに(ほとんど?)常連さんとお酒を飲みながら接客しなきゃいけない時もあって、あまりお酒を飲めなかった私は帰る頃にフラフラになりながら帰ったこともあった。

心底、お酒を飲みながら仕事をする。ってほんとに大変だと思った。自分の理性を退勤時間まで保てるようになるまで数ヶ月かかった。
これを本業にされてる方はほんとにすごいと思う。体調にも影響出てくるし。

もちろん良かったことはというと、常連の人は歳上の方が多かったから色んなことを教えてもらった。良いことも悪いことも。笑

そして海外に行って勉強するためにお金を貯めている。と話すと、比較的ちゃんとしてる子レッテルを貼ってくれるので手を出したりしてこなかったのも幸いだった。

飲みに行くのが好きだけど、保健所職員と言うとお店の人に嫌われるから。といって職業をギャンブラーと言っていた白ひげのおじいさま。(私にこっそり教えてくれた)

いつも近所の風俗で遊んだ後、飲みに来てその日の風俗の感想を教えてくれる人。

私の事を(一方的に)マリリンと呼んで「本田美奈子さんの歌を歌ってくれ。」といつもせがむ人。

「愛が生まれた日」を私と歌ってから必ず帰る人。(仕事が忙しくても絶対待ってる。)笑

一度見せてくれた郷ひろみのモノマネをめちゃくちゃ笑った次から、必ずお店の入り口ドアから郷ひろみのモノマネして入ってくる人。

BOMBAY SAPPHIREの美味しい飲み方を伝授してくれた人。

いつも強強打破を買ってきてくれた人。

ツケが多くてあまり来なくなったが数年後、駅の近くのホームレスとして再開し手を振ってくれた人。

職場の人もいい人ばかりだった。私と交代で入っていた1つ上の女性の先輩にはとても可愛がってもらった。誕生日にハートのネックレスをプレゼントしてくれた。

私は長女なのでお姉さんができたみたいでとてもうれしかった。

そして彼女は出会ってから半年後にこの世を去ってしまった。
いつも笑顔でステキな人。みんな彼女のことが大好きだった。

そんな1年を過ごした、忘れられない仕事のお話しでした。

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