![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/98337890/rectangle_large_type_2_5c3387c4d5d0e1f546ffb1d0a923be08.jpeg?width=800)
さよなら冬 2023
こどもの頃は、春がきらいでした。
見事なヒネクレっぷりです。
でも、ほんとうに春になると
だるくて、何もやる気が起こらなくて
前に進みたくなくて、人と口を聞きたくなくて
何処にも行きたくなくなるのでした。
いい年をした大人のこじらせ方です。
今は立春がくると、ほっとします。
そんなに寒い土地に住んでいる訳でもないのに
もう寒い目にあわなくていいんだあ、なんて理由で
うきうきします。
来年にはまた寒い日が来るというのに。
ただのヘタレです。
でも、あっちもこっちも行きたくない~と
子どもなりに苦しんでいたあの頃より、楽な季節です。
生きて行きやすい方を選ぶように
ぼくの中で、いつのまにか調整が済んでいたようです。
子供の頃もヘタレだったのでしょう。
どれだけ生きても、変わらないものもありますから。
✫ ✫ ✫
冬の一季節を俳句にしました。
直線の終わらぬ廊下冬来る
吾が影に似たるカミソリ冬の鵙
虎落笛前世に落ちし海の色
ずたぼろの今日をしきりと朴落葉
我が首を絞めて師走の座興かな
客ひいて精肉売り場淑気満つ
夜と生きる男の髪に初雪を
❅❅Kくんへ
泣いたつて負けぢやないんだ寒卵
この街はぼくと冬麗にはきゅうくつだ
冬果の門をするりと黒猫は
梨鱗
✫おことわり✫
「きゅうくつ」
ただしい旧かな表記は「きゆうくつ」です。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?