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Narcissus解説

2020年11月26日に配信されてから1年が経ちました。

私は、いろんなアーティストさんの作品の制作経緯や、作品に込めた思いを知ったり読んだりするのが好きなので、1年経ちましたが私も書いてみることにしました。

1.タイトルについて

Narcissusナルシサスとは、水仙スイセンの英名です。

水仙の全般的な花言葉は「自己愛」

黄色の水仙の花言葉は「私のもとへ帰って」とある。

Narcissusナルシサスという英名は、ギリシャ神話にあるナルキッソスのエピソードに由来しています。

語源のギリシャ神話には、

美少年ナルキッソスが呪いをかけられ、その呪いにより水面に映る自分の姿に恋をしてしまいます。しかし水面の中の像はナルキッソスの想いに応えることはなく、その恋の苦しみで彼は憔悴して死んでしまう。そしてナルキッソスの体は水辺でうつむきがちに咲く水仙に変わりました。だから水仙は水辺であたかも自分の姿を覗き込むかのように咲くといわれます。(諸説有)

とあります。


2.曲について

結構こういう、報われない系の恋愛の書くの好き。

まずこの曲については

①愛は奉仕だという信念の主人公

「貴方が誰を想おうと、貴方が幸せであればいい。」「愛することこそが私を満たす」という精神。彼がくれる孤独すらも、彼がありのまま生きるが故の産物みたいに思えて、それすら愛おしくて暖かい。みたいな気持ち。

②本当は望みがある主人公

①の信念を大切に抱きつつも、やっぱり見え隠れする本当の気持ちや寂しさがある。言いたくて言えない言葉、いつまでも続いて欲しい夜、、。

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彼の自分に対する態度は、自分自身への愛し方の鏡。

愛する程にどこか切ない「私の気持ちに気付いていながら向き合わない相手」を愛してしまうのは、「私自身が自分の気持ちに向き合えていない」という事実の鏡である。

自身の望みを知ることや愛することを蔑ろにしていると、他人をどれだけ愛そうと、やはり満たされず、結局切ないのだ。

コップ(自分)に穴が空いている事に気付かずにたくさん水(愛)を入れ、こんなに私は愛に溢れているのに、いつまでも満ちないのは何故だろう。と悲しんでいる様なもんだ。

相手を見ているようで結局自分自身を見ているその様と寂しさが、ギリシャ神話のNarcissusの語源や花言葉とピッタリだなあと思い、このタイトルにした。


3.ArtWork製作について

画像1

私の大好きなコラージュアーティスト、f.abricotさんに今回もお願いしました。EP-【FAMILY】、ALBUM【LOVE IS HERE】に引き続き、3度目です。

f.abricotさんの作品には、孤独な寂しさの中に儚い美しさがある。そして【性】を感じさせる作品が多く、本当に毎度グッと胸を掴まれる。曲が完成した時、f.abricotさんが感じたままにArtWorkを作って頂きたいと思い、またお願いする事となりました。

f.abricotさんの作品は、細部にまでとても思いが表現されていて、意味があって、制作後の解説を聞くたび、その感性に惚れ惚れと、ため息が出る。

ArtWorkに込めた思いを綴って頂いたので、掲載します。

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水仙の花って、群れになって咲くんだね。
最初水仙の花を使ってほしいって聞いたとき、一本だけ使ってコラージュしようと思ったんだけど、群れて咲くってのがなんか曲に合ってる気がして、(愛を求めてるから一人はさみしい=群れていたい、だけど自分が一番愛されたい=自己中心・自己愛)それで数本まとまった水仙の花を使うことにした。

女性の足の部分は夜ベッドで好きな相手を思って寂しい気持ちになってるときって足をぎゅっとするじゃん、それをイメージしてこの足を選んだ。

白画用紙の部分3か所は、それぞれ異なることを表現してる。

大きい三角は自己愛。尖った部分が自分に入り込んでるのはその自己愛が自分を痛めつけてるような気が私はするから。
もう一つの小さい三角は相手への気持ち。それが涙にも見えるように目の下の部分に向かうように配置した。
波のような部分は、首に絡みつく香りと夜風のイメージ。歌詞の「髪に首にまとわり付いた貴方の香りに ひとりぼっち夜風が不意に孤独を教える」ってところをビジュアル化した。

作品をスキャンするときに粒を散らして雪と冬空を表現したんだけど、雪なのに丸じゃなくて角ばった粒を使ったのは、寒さや寂しさを強調させたかったから。

リージャのこの曲は切ないラブソングなんだけど、寂しさとか切なさだけじゃなくて、そんな気持ちも含めて愛してるっていう愛と暖かさを感じる曲だと思う。
だからこのコラージュの女性も微笑んでるし、寂しさ悲しさよりもその中にある暖かさを感じるようなものにしたかったんだ。

f.abricot

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2に書いたような詳細な思いまで伝えていなかったのに、こんなに私の思いを汲み取った表現と解釈の作品を提出してくださるなんて、もう脱帽だ。

ずっと私の大好きなアーティストさん。


4.まとめ


まとまりがないですが。

切なさや寂しさも確かにあるけれど、それ以上に暖かくて愛おしい気持ちが共存しているラブソングでした。

『愛することは心を満たす』という言葉の中には、「自分自身」も愛する対象に入っていることを忘れないでね。(自分にも言い聞かせる)


またEPが出たら書こうと思うので、ぜひ新曲たちも聞いてください。

読んでくれてありがとう!

Lydia

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