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私が台湾でI T人材向け求人サイトを立ち上げた理由

初めまして!台湾でYouratorというスタートアップ企業を運営するLydia Chen(リディア・チェン)です。この記事では、私が起業に至るまでの道のりについて書いていきます。

毎年開催している台湾最大級のデジタル人材向け採用イベントでの写真(筆者左下から2番目)

日本と私の出会い

私が日本に住み始めたのは、2005年に早稲田大学国際教養学部に進学したことがきっかけです。漫画やアニメが大好きだったので、日本文化に強い興味を持っての渡航でした。4年間の充実した学生生活を高田馬場で過ごした後は、アメリカの大学院でマーケティングについて1年間学びました。そして、ボストンキャリアフォーラムという人材採用イベントで、新卒入社することになるグリー株式会社と出会い、2012年から日本に戻って新卒として働き始めました。

多くの日本企業では、新入社員として採用された時に、将来どのようなポジションで働くことになるのかを具体的に教えてくれません。 そのため、私は自分が何をするのかわからないまま入社したのですが、配属されたのは自分が専攻していたマーケティングとは関係のない事業企画部門でした。 市場分析やデータ分析、海外市場の事業企画などを担当しましたが、 その後、会社の組織体制が変わったり職種が変わったりする中で、事業戦略関連の仕事にも携わりました。

東京ゲームショウでの写真

日本のインターネット企業での大きな学び

Youratorの設立に繋がる、私に最も影響を与えた経験は、日本のインターネット企業における「人材育成」と「組織文化」の重要性を目の当たりにしたことです。 入社して最初の1ヶ月は、そのほとんどを研修に費やしたことに驚きました。給料を与えながら社員に学ばせて育成するという姿勢は、台湾の企業文化の中ではほとんど見られません。

しかも、当時の会社の先輩たちは「後進を育てる」という意識が非常に強く、快く教えてくれたことに対して先輩への感謝の気持ちを伝えた際に、「一番の恩返しは "Pay It Forward "だ」と言われたことを覚えています。 "Pay It Forward"、つまり、将来自分に能力が備わったら、次の世代を育てる努力をし、ノウハウを次の世代に伝えること、それが先輩への一番の恩返しだという意味でした。

当時、私が所属していた部署の先輩方は、一流の金融機関や経営コンサルティング会社からスカウトされた方が多く、彼らがネット企業の膨大なデータを駆使して意思決定を下す姿からは、数多くのことを学びました。その後の私の問題解決へのデータドリブンな考え方や、世の中の見方にまで影響を与えました。

また、日本企業では、「スペシャリスト」を求めるアメリカに比べて、「ゼネラリスト」を求める傾向にあります。つまり、自分の得意なことや過去の経験に頼るのではなく、「問題解決能力」によってあらゆるビジネス上の問題に立ち向かうことを求められます。特に、業界やビジネスモデルなどの変化が激しいインターネット業界では、なおさらこの能力が必要です。

可愛いキャラクターが大好き

台湾でのYouratorの立ち上げ

グリー株式会社に3年間勤めた経験は、私にとって非常に有意義なものでした。その後、LINE株式会社に転職し、ゲーム事業の戦略企画を1年間経験しました。そして、2015年の夏にLINE株式会社での仕事を辞め、台湾で新たな事業創生のためのインキュベーター・スクールとして有名なALPHACampに参加するために台湾に帰国し、現在に至ります。

起業テーマを考える中で私が注目したのは、台湾の就職活動や雇用環境でした。台湾の人材紹介会社のホームページを開くと、企業のビジョンが見えない情報の羅列のような求人ばかりで、魅力的な求人を見つけることが非常に困難でした。また、「人材育成」や「組織文化」の面で、台湾と日本企業の間に大きな隔たりを感じ、自分がこれまでに当たり前に接していた、日本での人材を巡る状況との違いに衝撃しかありませんでした。

そこで、台湾で新たな価値観に基づく転職プラットフォームを構築することを思いついたのです。 「企業文化」や「人材育成」に対してより革新的な考えを持つ企業を選別し、採用のお手伝いをすることで、これらを重視する文化を台湾企業にも根付かせたいと考えました。日本企業のユニークな人材育成に対する考え方から、台湾企業が学べることはたくさんあります。

ALPHACampでは優秀なメンバーに恵まれて、今に至る基盤を作ることができました


早速、ALPHACampでクラスメイトだったYufan、Jackson、Leonに、日本のような新たな求人サイトのアイデアを提案し、協力を得ることができました。そして2013年にYouratorの立ち上げが実現したのです。私たちはYouratorを通じて、「企業文化のアイデンティティ」を重視し、台湾の若者が魅力的なキャリアを探せるような「新しい仕事探しプラットフォーム」を提供するとともに、スタートアップ企業がより良い人材を集めて成長し、台湾のデジタル産業の発展を加速させることを目指しています。

2016年にメンバーと撮った写真。現在のメンバー数は30人以上います。

現在は設立8年目となり、スタートアップ業界の人材マッチングに特化した、台湾でNo. 1の求人検索プラットフォームにまで成長しました。これまでの私たちの活動によって、台湾社会に少しでも良い変化を起こせたことを期待しつつ、引き続き変化の種を蒔くために、努力していきたいと思います。


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