見出し画像

定期購入はもう古い!? 通販業界におけるLINEを活用した次回予約コースのススメ。

みなさん、こんにちは。

LINE Frontliner / DOTZ株式会社CMOの稲益です。

今回は主にサブスクリプション (定期コース)を行っている
通販企業(D2C)での事例をご紹介します。

定期購入はもう古い?通販業界が抱える課題と消費者とのギャップ

まずはじめに、通販業界が抱える課題について日本国内の広告市場から解説します。

日本国内の広告市場とインターネット広告について

・日本の広告費全体は6兆1,594億円(前年比88.8%)
・うち、4マスは2兆2,536億円(地上波のみだと、1兆5,386億円)
・4マスの成長率は昨対比で86.4%とコロナの影響を受けて大幅下落
・対してインターネットは2兆2,290億円と4マス合計に届く勢い
・成長率も昨対比で105.9%とまだまだ成長を続けている
・インターネット広告のうち運用型広告は82.9%と圧倒的なシェア

電通発表 2020年 日本の広告費より

広告市場全体からの考察する通販業界の課題

・日本の総広告費は過去7兆円台がピーク。今後それ以上になることは難しい。(人口が減少していることから)
・今後益々、インターネット広告の成長は続く
 ➡︎国内の広告費はインターネット広告に“寄っている”
 ➡︎インターネット広告の中でも運用型広告に“予算が集中”
 ➡︎競争が激しくなるため、運用型広告の入札単価は高騰傾向に。

新規獲得広告においてCPO*が安くするということは、かなり難しい市場環境へ(*CPO=COST per Order 1注文あたりのコスト)

消費者意識とのギャップについて

・こういった背景もあり、通販企業においてはLTV*がより重要に。LTV - 商品原価 - 広告費(CPO)= 企業の利益 となるため、新規獲得コストが高騰していくと、LTVを伸ばして利益を担保する必要がある。

*LTV=LIFE time Value 1顧客からの生涯得られる売上 / 通販業界では1年目LTVで評価することが多い

・LTVを予め担保するために、お試し購入や都度購入ではなく「初回定期購入のみ」で広告を実施している企業が増えてきている。

・「ECのミカタ」の調査によると、定期購入について半数に近い約46%が「利用したいとは思わない」と回答している

いなます

出典:ECのミカタ https://ecnomikata.com/ecnews/19951/

まとめ

通販事業者からすると、新規の顧客獲得コストが高騰しがちな市場環境となったため、利益を担保するために、利益優先型の「定期購入のみ」で広告宣伝を行っているが、

消費者からすると、気になった商品があったとしても「初回から定期購入のみ」の為、買い控えるというギャップが生まれているのではないでしょうか。

実際にいち消費者である私も定期購入の解約の煩わしさ(解約は電話のみという企業も多い)から、購入回数の縛りがない商品であっても、一度試してから気に入れば定期購入したいと思うことが多いです。

次章からは実際に取り組んだ事例を元に定期購入ではなくとも、LTVを担保できたケースをご紹介します。

▼LINEを活用した次回予約コースのススメ

ある通販事業を行う企業での実際に取り組んだ事例をご紹介します。

通販業界において、初回から定期で販売しない場合のオファーとして「都度購入」かお試しセットといった「トライアル品」が主流。


トライアル品の場合、単価を定期購入品よりも安く設定することが多いです。(例:定期購入2,480円 / トライアル500円など)

トライアル品であれば購入ハードルが低い為、購入率も上がりますが、

・トライアル品であっても、定期購入であってもCPC(クリック単価)は同じです。インターネット広告において価格差で大きくクリック率が変わることはありません。

・またトライアル品の場合、その後定期顧客になってもらうためにダイレクトメールやメールマーケティング、アウトバウンドコールなど自動で継続される定期購入と違い、数多くの施策を行う必要があるため、その分工数もかかります。

こういったことからも「初回から定期購入」オファーを選択する企業が多いのですが、今回ご紹介する事例は「トライアル」でもない、全く新しい「次回予約コース」という取組です。

次回予約コースとは?

・トライアル品などはなく、本品を対象としたサービス

・次回購入を予約してもらうコースということで、特典として初回の本品価格を割引

・定期購入とは違い予約のみで自動で商品が発送されることはない

・次回予約コースを申し込むにはLINE公式アカウントへの友だち追加が必須(LINEとのID連携)

・LINE公式アカウントの友だち追加時にLINEログインを活用し、購買データと紐付け

・次回購入のタイミング(消費)にLINEを配信して、2回目の購入を行ってもらう。LINE経由でサイトへ遷移するのでログイン要らずでマイページで購入ボタンを押してもらうだけ

一見、定期コースの様ですが、商品案内するランディングページにおいて
”あえて”定期購入ではありません、と謳うことができるので
先述した「定期購入のみの為の買い控え」ユーザーも取り込むことが可能です。

(1)
具体的には、購入前のページで「次回予約コース」をしっかりと説明し、次回予約コースの特典で割引をオファーを提示。

(2)
購入完了ページで「次回予約コースの申し込みを完了するにはLINE公式アカウントへの友だち追加が必要です」と表記し、LINE公式アカウントへ友だち追加&LINEとのID連携。

(3)
次回購入のタイミングでLINE公式アカウントからメッセージを配信し、2回目の購入を促す。

30日サイクルの商品であれば、25日経過から40日頃までリマインド(2回目の購入者には配信は停止、購入しない顧客はブロックか自動キャンセル)
*以降、同じステップの繰り返し(2回目から定期購入に誘導してもよい

実績としては以下の通りの結果に。

・購入顧客の友だち追加(LINEとのID連携率)は、ほぼ100%。

・F2転換率は約70%と通常の初回定期購入と比べても見劣りしない結果に。
*F2転換率=2回目の購入顧客数÷初回購入顧客数

・LINE公式アカウントのブロック率は驚異のわずか2%台

初回から定期購入するハードルを払拭することで、購入率(CVR)を向上させ、かつ、2回目の購入率も初回から定期購入する場合と比べても遜色のない結果でした。

いかがでしたでしょうか。

改めて顧客視点に立って「次回予約コース」を検討してみては?

実際の導入や設計にはシステムも絡みますので、ご興味を持たれた企業の方がいらっしゃればぜひDOTZまでお問い合わせください。

最後までご覧いただきましてありがとうございました。次回の更新も楽しみにお待ちくださいませ。

みんなにも読んでほしいですか?

オススメした記事はフォロワーのタイムラインに表示されます!

Twitterでnoteの更新情報やその他たくさんの情報を発信しているのでぜひフォローお願いします!