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児童養護施設の子どもは荒れる?

こんにちは、ヨウです。

児童養護施設に入所していて、よく見かけるのが「荒れている子ども」です。私が施設にいるころ、気に食わないことがあって暴れたり、ひどく反抗している状態の子どもを何度も目にしました。私にも、そういう時期が(たぶん)ありました。実際、施設の内外で荒れる子どもは少なくありません。そうなってしまう理由について、施設での経験と、私自身が学んだことから、解説したいと思います。


1.大人への不信感

現在、児童養護施設に入手している子どもたちの半数以上は虐待による入所です。

子どもは、元来、親のことが好きな生き物です。どういう経緯であれ、子どもは、本来は親と一緒に生活したいと思っているものです。施設の子どもたちは、暴力、性加害、育児放棄など、子どもは親に裏切られた経験を持っています。そんな子どもが、施設で新たに出会った大人を簡単に信用することが出来ると思いますか?施設職員がどんなに優しい人物でも、大人であることには変わりありません。子どもは、今まで散々裏切られてきた「大人」という生き物に対して拒否的になってしまいます。

もちろん、これは、一時的なものでもあるので、信頼関係を築いていけば、問題なく信用することができるようになります。しかし、施設の子は敏感です。大人が言っていることとやっていることが違うと、「裏切られた」といいう感情が芽生えます。

これは、我々一般の大人でも言えることです。言っていることとやっていることが違う人間を信用しませんよね?それと同じというだけなのです。


2.集団生活への不適応

施設は集団生活であることが基本です。小規模化している施設でも、複数の子どもたちがお互いに関わり合いながら生活しています。

子どもは、家庭で生活していると、「集団生活」というものを経験しません。しかも、望んで施設に入る子どもはほとんどいません。(高校の学生寮のように)望んで集団生活をしても、上手くいかないことが多いものです。精神的にダメージを受けた子どもが集団生活に馴染もうとすることが、相当なストレスを与えることは、想像が容易でしょう。


3.やり場のない不安・怒り・悲しみ

施設の子どもたちは、私たちが想像している何倍もの根が深い問題を抱えています。それに加えて、虐待による愛着障害や精神発作など、苦悩が体外に出てくることがあります。

これらの問題は、常に子どもたちにつきまといます。

これから自分がどうなっていくのか、子ども自身がコントロールできることが少なく感じ、理由がわからない怒りや悲しみが、子どもたちを苦しめるのです。施設の子どもたちは、一見普通の子どもです。しかし、大人によって人生を狂わせられたせいで、自分でも理解できない心の闇を抱えているのです。


終わりに 〜子どもに無条件の愛を〜

子どもたちが健全に成長するためには、「大人からのの愛」が必要です。それは、「あなたは勉強ができるから」「あなたはスポーツができるから」というものではありません。子どもは、「あなたは大切な存在だ」と無条件に認めてもらい、愛されることによって、その心は安定し、自分を肯定することができるようになるのです。

勉強ができなくたっていい、運動できなくたっていい、芸術の才能もなくたっていい。言われたことができなくたっていい、素直になれなくたっていい、訳もなく泣いてもいい、理不尽に怒ってもいい。

どんな子どもでも、無条件に存在を肯定してもらい、受け止めてもらえることだけを望んでいます。どうか、身近な子どもに、無条件の愛を注いであげてください。

今日は、この辺で。


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