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【必読】施設出身の子に伝えたい、学校が教えてくれない大切なこと

こんにちは、ヨウです。

今回は、児童養護施設の子どもたちにとって、最も大切な「自立」について、私の経験をもとに、解説したいと思います。

私は、児童養護施設から大学に進学し、就職をしました。当然、家族から経済的な支援は得られませんでした。それなりに苦労してきましたし、たくさんの壁にぶつかり、失敗してきました。

先に前置きとして伝えたいことは、学校は、学術的な知識を教えてくれますが、社会で実際に生きるために必要なことは、ほとんど教えてくれません。確かに、進学や就職について言えば、学校の勉強は大切です。しかし、いざ生活を始めてみると、戸惑うことが多いこと多いこと。驚きました。

私は、施設から出る時に、NPO法人ブリッジフォースマイルが出している「巣立ちのための60のヒント」という本を、施設から貰いました。この本は、私が自立して生活していく上での教科書になりました。その中から、特に役に立った内容をピックアップして、紹介したいと思います。


1.家賃は、給料の3分の1に抑える

学校で教えてくれないことの代表格は、お金に関することです。お金って、お小遣いでもらったことはあるでしょう。お小遣いは好きなことに全部使い切っても、生活で困ることはありません。しかし、実生活ではそうはいきません。

仕事やアルバイトをすると、働いた分だけ給料をもらいます。そこから税金やら国保やら年金やら出て行き、残りの金額が俗に言う「手取り」になります。手取りの給料は、実際に通帳に入る給料のことです。

まず、手取りの給料を3等分してください。それを

・暮らしにかかるお金(食費や光熱費など)

・自分にかかるお金(洋服や交際費、貯金など)

・住居にかかるお金

に振り分けます。つまり、家賃は、手取りの給料の3分の1程度になります。手取りが12万なら家賃は4万円がいい、といった要領です。もちろん、それより安く抑えれば、自由に使えるお金が増えます。住居を決める時は、手取り給料の3分の1以下に設定して、不動産屋に伝えるといいでしょう。

家賃は、毎月必ず使う「固定費」です。どんなに節制しても、一度住んでしまえば家賃の値段は変わりません。食費や光熱費、交際費は節約できても、家賃は節約できないので、気をつけて選んでください。

私は、アルバイトと奨学金で、月13万円程度の収入でした。ですので、家賃を4万円以下として設定しました。私が進学した大学は田舎にあったので、6畳一間ユニットバスのアパートに3万円で住むことができました。なんとか、やりくりできましたよ。

それ以外にも、お金が出て行く場所は多いので、いろいろ注意が必要ですが、家賃が高いと、それだけで生活を圧迫します。まず、家賃を高額にしないことをオススメします。


2.クレジットカードは借金

現在、キャッシュレス化が進み、クレジットカードやQR決済を使うことで割安で買い物ができますし、手元に現金がなくても買い物ができて、便利です。

しかし、クレジットカードは、便利さと引き換えに「請求が後日くる」というデメリットがあります。QR決済も電子マネーも、クレジットカードをもとにしていることがほとんどですので、ここではクレジットカードについて解説します。

財布に1万円あると、「買えるかどうか」をその場で判断して買い物をするはずです。しかし、クレジットカードであれば、財布にお金がなくても1万円のものが買えます。簡単に買えます。

ここで注意しなければならないのは、いくらか還元されるとしても、1万円払うことに変わりはないということです。

クレジットカードは、上手に使えば、ポイントが付いたり還元されたりと、便利な道具です。しかし、クレジットカードは、一度借りて後日返すので、借金と同じです。それを理解した上でクレジットカードを使うといいでしょう。お金の取り扱いに自信がなければ、クレジットカードは使わない方がいいでしょう。

私はお金の使い方に自信がなく、借金をすることに抵抗があったので、就職するまでクレジットカードは作りませんでした。代わりに、チャージ式の交通系のICカード(Suicaみたいなもの)を持っていました。それでも、なんとかやりくりできましたよ。

ちなみに、「リボ払い」は絶対に利用しない方がいいです。細かい解説は割愛しますが、リボ払いをしてしまうと、毎月の支払いが延々続き、貯金ができなくなります。


3.病院には、お金が必要

お金のことばかりで申し訳ないのですが、お金のやりくりが、社会ではとても大切になってきます。

施設にいる間、病院に診察や治療に行っても、お金は出しませんよね。しかし、いざ社会人になると、医療を受けるのにお金が要ります。

これ、当たり前だと感じる人も多いと思いますが、「病院ってお金かかるの!?」と、私は驚きました。手にイボができて、液体窒素でジュっと焼く治療があるんですが、時間的には1分くらいの治療で1000円くらい取られました。しかも、「3週間後に、また来てね」と言われて、お金取る上にまた来いとか言うのか、と、なんだか損している気分になりました。これが普通なんですけどね。

お医者さんって、お金持ちですよね。それは、(めちゃくちゃ噛み砕いて雑に説明すると)一つの医療行為に使われるお金が高額だからです。耳鼻科で花粉症の診断を受け、薬をもらうだけでも、かなり高額です。

国保(国民健康保険)に加入すれば、月々、収入に合わせた額(月々数千円)の支払いで、医療の負担を大幅に減らすことができます。(治療費の30%を払えばよくなります)

ただし、就職組で会社の組合保険に加入した場合、国保は必要ありません。組合保険の方が割安になる上に、手続きを会社でしてもらえるので便利です。

まとめとして、病気や怪我の準備として、ある程度の貯蓄をしておくことが大切だということを押さえておきましょう。細かいところは、役所に聞けばわかります。


4.セックスするときは、避妊しなさい

これはとても大切な項目です。お金以上に大切かもしれません。

性に関する知識について、特に男子は、間違った認識を持っていることが多いです。女子は体の変化に合わせて、保健室で指導がありますが、男子にそういった指導はありません。

日本の文化か何か分かりませんが、性に関する知識を、大っぴらに語ることを嫌う大人が多いものです。一般的な家庭でも、性に関する知識を親から子どもに教えることは少なく、多くの男子が女性の体や、性に関する認識を間違えています。

男子諸君にはっきり申し上げます。AVは、性欲解消のための「手段」であって、性に関する教科書ではありません。女性は自分の欲を満たす道具でもありません。妊娠や性感染症を防ぎ、女性を大切にするために、セックスの際には必ずコンドームを装着してください。というか、コンドームは常に持参してください。私も、財布に必ず入れています。

妊娠してしまうと、中絶するにしても出産するにしても、費用や責任が伴います。無責任な行為による望まない妊娠によって、私たちみたいに、親に頼らない子どもを再生産してしまう結果になりかねません。性に関する正しい知識についても、この本に記してありますので、是非、読んでみてください。

私は、性行為自体は否定しません。大切な人と愛し合うことは尊い行為です。大切な人を守り、幸せな時間を過ごすためにも、性に関する正しい知識を持って欲しいのです。


終わりに

「巣立ちのための60のヒント」には、自立のための大切な知識と具体例が載っています。健康の保ち方、社会人としての心構え、コミュニケーションの方法などについても詳しく図解で書かれています。本を読むのが苦手な人でも簡単に読めますし、知りたい情報について目次を引いて調べることもできます。

これは、施設出身の子どもでなくても、これから一人暮らしを始める人にとって大変参考になる情報が詰まっています。まさにこの本は、「一人暮らしの教科書」と言っても過言じゃないでしょう。是非、読んでみてください。


※これは、アフィリエイトではありません。ただ紹介しているだけです。笑


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