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適切なプレーは相手が教えてくれる

 パスを通したい場所に通せなかった。

 ドリブルで前に運びたかったけど前に進めなかった。

 シュートを決めたかったけど決められなかった。

 このように、自分の思ったようにプレーできなかったことは、選手であれば誰でもあるはずです。

 では、何故思ったようにプレーできないのか。

 サッカーを複雑にさせているものは何か。

 今回は、「何を」意識しながらプレーをすればプレーの質が高まるのか、ということについてお話ししていきたいと思います。


 上記のお話しですが、プレーを難しくさせるもの、サッカーを複雑にさせているものの正体は「相手の存在」です。

 相手が邪魔をしてくるのでミスが発生し、やりたいプレーもうまくできなくなります。

 では、相手が邪魔をしてくる中で、何を意識すればプレーの質が高まるのか。

 もうお分かりだと思いますが、「常に相手を意識したうえでプレーを選択し決定する」ということです。

 日頃、選手を指導しながら、何を意識してプレーの選択を決定しているのかなと観察していますが、上手くプレーできていない選手の大半は、「自分の頭の中に相手が存在していない」状態でプレーを決定しています。

 以前の投稿(https://note.com/lvsa_00_official/n/nd795413b528b 「観ること」の重要性)でもお話しさせていただきましたが、「自分以外を存在させながらプレーする」という意識を持つことができなければ、いくら技術や身体能力に秀でていても、サッカーをプレーすることはできません。


 簡単な例ですが、このような状況があったとします。

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 攻撃が3人(黄色)、守備が2人(赤色)の3vs2の状況です。

 攻撃側3人に対して、守備側2人はこのように守っていますが、Bはどの場所で受けることが適切でしょうか?

(※今回はBの立ち位置についてのみ考えます。AやCの考え方については省きます。)

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 攻撃の一番の目的は、「できるだけ早くゴールへ向かうこと」です。

 目的から考えると、優先順位は「3」→「2」→「1」となります。

 「3」の場所で受けることができれば、相手はプレッシャーをかけることができないため、早く前進することができます。

 「2」の場所は、「3」の場所の選択ができないときの次の場所になりますが、「3」ほど有利ではありませんが、1タッチで相手のプレッシャーを回避できる場所なので、効果的に前進することができます。

 では、「1」はどうでしょうか。

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 上の図のように、意図的に相手守備間を広げて、Cへのパスを通させるために立っているのであれば、効果的な方法となりえます。

 しかし、その考えがなく「1」の場所でボールを受けると、相手の前でプレーしなければならなくなります。

 当然、プレッシャーを受けながらプレーするため、プレーの質も低下してしまいます。

 テクニックや身体能力が高い選手であれば、この状況になってもドリブル等でかわして前進できるかもしれませんが、大局で考えると、時間がかかってしまい、その間に相手守備陣も整備されてゴールへ向かうことが難しくなってくるでしょう。

 それではプレーの質が高いとは言えません。

 上記で、「技術や身体能力に秀でていても、サッカーをプレーすることはできない」とお話ししたのはこういうところです。

 こういった立ち位置を取るには、やはり「相手を観ながら(意識しながら)プレーする」ということが重要になってきます。

 適切な立ち位置でプレーすることができれば、プレーが速くなり、「とても高いレベル」の運ぶ技術が無くても、ボールを奪われずに楽しんでプレーできるはずです。


 立ち位置の例で、いかに相手の存在を意識しながらプレーすることが大切か理解していただけたかと思いますが、その他のプレーも同じです。

 「相手を観る」からこそ自分が選ぶべき選択肢、適切なアクションは何かが見えてきます。

 つまり、「その状況における適切なプレーは相手が教えてくれる」ということです。

 「相手があそこにいるから自分はここで受けよう」「あのスペースを使ういたい、そのためにここにアクションを起こして相手を引き付けよう」など、サッカーのプレーは全て相手ありきです。

 選手が実戦に近い状況のトレーニングを積み重ねて、常に「相手と相談しながら」プレーできるように、そういったことが身に付く環境を提供してあげられるように、私自身も日々勉強し続けていきたいと思います。

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