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「観ること」の重要性

 前回、「プレーできる選手」についての投稿をさせていただきました。

 https://note.com/lvsa_00_official/n/n4993b964f7a4

 今回は、前回のテーマのベースの部分であり、トレーニング中に特に伝えている、「観ること」についてお話しさせていただきます。


 サッカーやフットサルの試合では、自分とボールだけが存在しているわけではなく、一緒に攻撃や守備をする味方がいて、それを邪魔してくる相手がいる、という基本的な決まりがあります。

 この原理は、どんな選手でも必ず頭の中に入れておかなければならないので、選手たちには「味方と相手を存在させながらプレーする」いうベースになる考えを与えています。

 上記のような難しい言葉は使っていませんが、コミュニケーションを取るときに、必ず「味方はどこにいる?相手はどこを守っている?だからどこのスペースに立てば良い?」というように、自分とボール以外のものも認識できるようにアプローチしています。

 では、選手はどうやって自分以外を存在させることができるのか?

 「味方と相手を存在させる」という考え方を理解すると同時に、今回のテーマである「観ること」を習慣にすることです。

 「観る」と一言で言っても、この行為は大変難しいプレーの一つです。

 サッカーもフットサルも、同じ状況が何秒も続くわけではなく、瞬間、瞬間で目まぐるしく変わっていくので、その都度状況を観ることができなければ、ゲームの流れから置いて行かれます。

 状況を観ながら、「観て得た情報を収集し正確に分析し、どのプレーを選択するか」を決めなければなりません(判断・決断)。

 観る判断決断実行

 このサイクルは、ボールを受ける前から技術を発揮するまでの一連の流れを表したものですが、試合ではこのサイクルをとても短い時間で行わなければなりません。

 そして、観ることがどれだけ重要なことか、このサイクルを見れば理解できると思います。

 観ることができなければプレーすることができません。

 また、「いつ観るか?何を観るか?どのように観るか?」というように、試合では観る質まで求められます。

 選手が試合中にボールを奪われる、簡単に背後を取られてしまう、などの実行の失敗は、「テクニックがないから」「集中していないから」「頑張っていないから」と、表面上の問題や抽象的な言葉で片付けられることがあるかもしれませんが、元を辿ってみると、観ることや判断・決断の部分でのミスが原因で実行が上手くいかないことがほとんどだと思います。


 初めにお話ししたように、まず選手の頭の中に、「味方と相手を存在させながらプレーする」という感覚がないと、どれだけ観ることの重要性を伝えても、習慣化されることは無いはずです。

 まだテクニックが未熟な7歳の選手たちが、日々のトレーニングを通してこの感覚を身に付け、「プレーしている」状態になってきていて、逆に年齢が上の選手たちが理解できずに苦戦しているということが示している通り、感覚を掴むのに年齢は関係ありません。

 考え方、観ることについてお話してきましたが、決して間違えてはいけないのが、「味方と相手を存在させる」「観ること」「プレーする」ことは目的ではなく、全て「ゴールを奪う、ゴールを守る・ボールを奪う」ための手段にすぎないということです。


 選手が「プレーの仕方」をベースで持っていれば、良さが薄れるのではなく、持っているものをより発揮しやすくなると思っています。

 選手とコミュニケーションを取りながら、少しづつ理解を深めてもらうための時間として、日々のトレーニングを活用しています。


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