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【逆噴射小説大賞2023】個人的ピッコアッポ&セノレフライノナーツ

要約:去年もやった。今年もやる。


逆噴射小説大賞2023個人的ピックアッj 


 先の3連休、俺は応募作を全部読んだ。多分。読み飛ばしたやつもあるかも知れないが、気にしない。
 ピックアップカルチャーに則り、今年もやっていく。このピックアップは賞レースの予想とかではない。レギュレーションや審査基準は俺には関係ない。
 面白いやつ全部ピックアップしようとしたが、大体どれも面白いので、多すぎてやめた。ピックアップ基準はその時の気分だ。順番もその時の気分だ。

1

 基本的に、俺はあまり異世界ファンタジー的なやつにのれない性質だ。どれほど飛んだ状況であっても、扉一枚隔てた先には現実があってほしいタイプということだ。だがこの作品は、世界の設定自体がかなりタフな感じで、キャラクターもタフガイの空気をまとっており、全体的に真の男のファンタジーの感がある。このくらいタフだと、俺もスイっと乗れて先が楽しみに読めるという発見があった。

2

 読んでいて楽しい。なんだか可愛らしい雰囲気を出してスタートしつつ、かなり凶悪ないぬ畜生の柴犬であることが明らかになった。同じことを人間がやっているとかなり凶悪なだけだが、犬がやっていると許せそう、許容できそうになってしまい、犬の危険性が改めて明らかになっている。

3

 読んでいて楽しいその2。ドロヘドロ的カオス感に満ち溢れている。理屈とか整合性とか一切気にせず、説明もせずに、このままずいずい続いてほしい。

4

 今年の800文字クッキングサイコパス大賞。描写を盛らず、淡々とした流れが生み出す空気が非常にグッド。

5

 愉快なキャラクターだ。バグ。バグということは本来意図しない挙動をするということであるからにして。この話、どんな方向にも転がせそうだが、バグによる全能感が出すぎてもなんだろうし、敵や障壁を乗り越えるにあたっての納得感ある転がし方に期待がかかる。

 以上でピッカップ終わり。

逆噴射小説大賞2023セルライナービーツ


 俺は去年初参加し、今年も参加した。応募作は下の2つだ。寿司と空港だ。この2つについての書き置きをここに残していく。

【最期寿司】

 ネタ出しにあたり、ネタと言えば寿司、ネタと言えば記者、という短絡的な発想をした。結果、寿司屋について調べる記者という形が出来上がった形だ。

 さらに、記者の調査を妨げる刺客。これまた短絡的だが、俺はここで若干詰まった。何に詰まったかというと、800文字で出てくる刺客とは、どういう場所にどういうやつを出せば怖くなるのか、ということだ。

 バーにコート着て銃を忍ばせたやつが出てきたとして、怖いか?
 うおっ、となるか?
 なんかドンパチやるんすね、みたいなことを見透かされるのがオチだ。
 続きが気になったりしない。
 そんなんでは逆噴射バトルでは勝負できない。
 そう思った。

 俺は考えた。
 絶妙なミスマッチ感が必要だと。
 人生に起きてはならないはず、遭遇してはならないはずのシチュエーションが必要なのだと。

 深夜ではだめだ。
 屈強な男ではだめだ。
 そんなコテコテではいけない。
 「人生におけるなにかの間違い」の化身めいた存在を放り込むのだ。

 熟慮の末に出したのは、割烹着姿の老婆。
 割烹着姿の老婆が、早朝、明るくなってきたファミレスで牛刀を握っている。
 俺の答えはこれだ。
 これで勝負だ。

 下の記事にピックアップいただきました。感謝!


【空港税関-怪物図鑑】

 これはエイリアンシリーズ、ダイ・ハード2、ファンタスティック・ビーストを下敷きにして考えた。

 エイリアンといえば、ウェイランド・ユタニ社の陰謀、すなわち、エイリアンの密輸・兵器化を企むシリーズである。エレン・リプリーがその陰謀を阻止せんとして、会社や宇宙生物と戦う。

 ダイ・ハード2は空港を襲うテロリストの話だ。ジョン・マクレーンがダクトに潜り込んで移動して、ドンパチやって、マザーファッカー。

 ファンタスティック・ビーストは、違法な危険生物ファンタスティック・ビーストを密輸するアホが主人公のシリーズだ。おどろくべきことに、話の本筋にファンタスティック・ビーストほぼ関係ない。
 
 この3つが俺の脳内で絶妙に混ざり合う。
「危険な生物を密輸する組織 v.s. 税関職員 in 空港」の構図が完成。
 空港でのてんやわんやが発生した。

 チュパカブラ・殺人ビーバー・ユニコーン・コモドオオトカゲ、頭を刺されて死なない同僚、素手でチュパカブラを倒す男など、怪物てんこもりに仕上げた。

 こちらの記事にピックアップいただきました。多謝!

 ライナーノーツは以上だ。


そして……フーチャー(未来)……

 来年も開催されたら参加したいと思う。
 次回は主人公を女性にする方向でチャレンジしたい。これまでの受賞作には女性主人公いないからな。エレン・リプリー並みにタフなやつを書いて一石投じる構えだ。ネタはなにも考えてないが、そのうち思いつくだろう。
 また会おう。

#逆噴射ピックアップ #逆噴射小説ライナーノーツ