消せない痛み

ぼんやりと、一点を見つめている。

視界から、光が消える。

泣き崩れることばかりが増えた。

時折、問いかけてみる。

生きていますか。
どこを彷徨っているんですか。


静かな場所でしか、やっぱりわたしは生きられなくて。
自分のこころを守ることさえできなくて。
それでも、寄りかかる場所を求めている。

いつまで痛みを抱える気ですか。
いつまで、消えたものを追いかけるつもりですか。

わたしはわたしを、失いかけていた。

ひかりはどこですか。

暗闇に慣れると、明るさの色を忘れてしまう。

すべては、どうして進んでいくの。
わたしはまだ、進めないよ。

痛みを消せない苦しさを、
人間はどうすることもできない。


『痛みは、誰も殺せないよ。』

どこからか聞こえてきた。

『痛みを殺すために、ひとは死ぬんだよ。』

抗えない痛みは、どこまでもわたしたちを
追い詰めてゆく。