「今生きること」を思い出させてくれたイスラエル
今日人生が終わるかもしれない。
子どもの頃、ふとそう感じたことがある。
子どもの時、酒に溺れて喧嘩ばかりする親たちをみて、
ふと、自分は親だったり大人がいないと生きていけないから、自分の意思では生きていくことができない。もし大人に捨てられたら、今日死ぬかもしれないと思ったことがある。
ここで嫌われたら私は生きていけない。もしここで嫌われたら今日で人生が終わる。
そう思って、怖くなったことがある。
でもその後、不思議なことに同じ気持ちになったことはもうなかった。
それがなぜかは今もわからないけど、きっと自分の身体が一生懸命守ろうとしてくれていたんだろうと思っている。
それから、数十年経ち、いろんな会社に勤めながらなんとか会社員として「生きている」体裁をとっていたけど、会社員を続けることが私にとって社会的かつ人間的な「死」を意味すると感じた出来事が続き、自分の会社を作ることにした。
その設立のタイミングで、ふと自分がこんなことを20歳前後で思っていたことを思い出した。
「いつかイスラエルに行ってみたい。世界の富を持っているユダヤ人にとって特別な場所であり、彼らが住む場所はどんなものか見てみたい。世界の仕組みについて、もっと理解が深まるのではないか」
その話を過去お世話になった同僚にしたところ、自分も興味があるから行ってみたいとの話になり、二人でイスラエルに行くことになった。
私は会社員時代の時、お金も時間もないから、行けるのはおそらく老後になってからだと思っていたので、40年くらい時間が縮まった感覚になったし、
タイミングや縁ってあるのだなあと思ったくらいのものであった。
そして2023年3月、私は初めてイスラエルに行った。
日本ではイスラエルについての報道は、今まだ続いている戦争の報道くらいかと思うので、そもそもどんな様子なのかわからないと思う。
私も同じ感じで、ほとんど情報がないまま(あえてそうしたところもあるが)行ったので、実際イスラエルの首都テルアビブがこんな感じだったことにとても驚いた。
まず、子どもが赤ちゃんもティーンもとても多い。夜遅くまで子どもたちが外で遊べるくらい治安が良い。街中に公園がある。ビルは綺麗で、夜遅くまでショッピングモールが空いている。日本でようやく進み始めているLimeはもうボロボロのやつまである。テクノロジーも日本より進んでいる感覚を持った。
私はそれまで中東地域は戦争が続いているイメージを持っていたので、もっと治安が悪く危険だと思っていたが、全くそんなこともなかった。
その後再訪問した、アメリカの方がよっぽど危険で治安が悪い印象だ。
子どもたちはとても活発だったし、男性も女性もみんな自分の時間を大切に生きており、知性を感じた。
途中寄ったレストランで食事をしていた老年の女性は、大学などで働いていそうな本当に穏やかな人だった。
このイスラエル訪問で忘れられない場所は、
なんといってもエルサレムだった。
ユダヤ・キリスト・イスラムの聖地であり、交わり、反発する場所。
この場所に行くことでしか感じることのできない、なんとも言えない緊張感や神聖さを感じた。
写真には載せていないが、イスラエルは徴兵制があり、男女問わずに18歳頃に軍隊へいく。そのため街中やエルサレムの所々に兵士がいた。
兵士さんが銃を構えている前で、子どもたちが仮装イベントを普通に楽しんでいる様子をたまたま見たが、戦争を体験したことのない私にとっては異様な光景であった。子どもたちにとって兵士がいることは当たり前であり、戦争は遠い向こうの話ではないのだろう。
この旅の中で、死海へ行った帰りのバスでデモにあって帰宅の時間が大幅に遅れるということがあった。
バスのガイドさん曰く、週に1回はデモがあり、今回はデモの暴動で車が一台燃えていたのを私もみた。
デモが起きること(デモというのは彼らにとって意見を主張すること)、戦争が起きてもおかしくない状況であることを平然と受け入れながら、夜遅くまで遊んだり、自分の時間を大切に過ごすイスラエル在住者をみていると、
確かに安心安全だけど自分のために生きれていない日本の民との差を感じてしまった。戦争が近いことは、死に近づき怖いことかもしれないけど、今を平然と強く生きるイスラエルの民は彼らの人生を力強く生きている。
イスラエルの人は日本から学ぶことが多いと言ってくれたけど、私もイスラエルの人や環境から学ぶことがとても多く、いつ何が起きるかもわからない状況の中で、平然と「今」自分の人生を生きることの大切さを感じることができた。
帰国後10月、イスラエルは戦争状態になり、日本人は観光などの目的で当分入れなくなってしまった。
あのタイミングで自分が決断し行かなければ、こんな価値観で生きることもできなかったと思う。もしかしたら一生行けなかったかもしれない。
そう思うと、本当に自分の人生の「今」を生きるだけだと心の底から思うし、それを気づかせてくれた私にとって忘れられない旅だったと思う。
そのことに気づけてから、一年たち今、私は子どもの頃に感じていた「死」への怖さがなくなってきつつある。
それは、あの時に気づいて「今死んでも後悔しないように」自分なりに行動を積み上げてきたからかなと思う。
1日でも早く、全ての人が平和で優しい日々を過ごせますように。
今日も、今に集中して生きていきます。
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