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山伏の展示

現在國學院大学博物館において、特別展「走湯山と伊豆修験〜知られざる山伏たちの足跡〜」が開催されています。私も撮影と写真展示で協力させてもらっています。


企画したのは國學院大学准教授の深澤太郎さん。彼とは奈良県の吉野から和歌山県の熊野までの行程約170kmを歩き通す山伏の修行、大峯奥駆修行で出会った。私は39歳。彼はまだ20代だったんじゃないかな。2009年の夏のこと。それから約10年の間に私は大峯奥駆修行に7度参加した。彼は私よりも多く、コロナ禍が世界を席巻するまで毎年欠かさず参加していたので10回を越えている。


山伏の修行は肉体的にも精神的にもなかなかに過酷で、たとえ一年に1回だけだとしても、その濃密な8日間を共に過ごした間柄は、戦友ともいえる。それが7度ともなれば尚更だ。


その辺の経緯、大峯奥駈修行については、以下の本に詳しく書きましたので、興味のある方はお手に取ってみてください。


その深澤太郎くんが修験道の展示をやるので撮影をしてほしいという。もちろんふたつ返事で引き受けた。

私と彼が修行したのは紀伊半島の大峰山脈。修験道の開祖、役小角(634〜701年)が開いたとされる。


ある種、異界ともいえる山に入って修行をし、験力(特殊能力)を得る行為は、役小角以降も、その思想に共鳴した多くの修験者たちによって実践され、日本各地の多くの山が開かれ、修験道は江戸時代に最盛期を迎えた。伊豆修験もそのひとつ。

ちなみに修験道とは、万物には神が宿るとする自然崇拝的な日本古来の神道と、大陸から伝わった仏教がうまく合わさった、日本独自の宗教。


今回の國學院大学博物館の展示では、修験道の成り立ちから、これまであまり語られることのなかった伊豆で興った修験について、それにまつわる多くの展示品と共に解説しています。


会期は2023.1.22(日)まで。入場無料。

私が撮影した写真も展示してあります。

大峰山脈
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頂いたご支援は取材費に充てさせていただきます。その体験を写真や文章を通じ、みなさまにフィードバックできたらなと考えます。