🌏「日本語も外国語」と考えれば日々のコミュニケーションの質を高められる、かもしれない話

こんにちは。

「ネット不動産」を推進する株式会社GA technologiesで不動産のAI査定サービスのプロダクトマネージャーをしている野浪と申します。

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いきなり私事ですが、学生時代は京都外国語大学で中国語を専攻していました。

また、在学4年間のうち1年間は中国・西安に留学したのも貴重な経験です。

今回はそんな学生時代の経験と今のプロダクトマネージャーとしての経験を通じて「日本語も外国語として捉えればコミュニケーションの質を高められるかもしれない」という話を、自説を交えてしたいと思います。

本記事では日本語を母語とする人が、母語である日本語で仕事をする場合を前提として書いています。
業務においては人それぞれ様々な言語環境やバックグラウンドがある中で、本記事は上記のような特定の状況におけるコミュケーションに関するトピックであることをご了承ください。

外国語学習は「伝わらない」が第一歩

まず、コミュニケーションとは何かということから考えてみましょう。

（成功的な）コミュニケーションとは、相手に自分の考えを言って終わり、ではなく、相手に自分の意思や考えが意図通りに伝わること。あるいはその反対に、自分が相手の意思を意図通りに受け取ること、と考えています。

この「意図通りに」というところが大事で、ただ「言う」「聞く」だけではコミュニケーションの成功にはなりません。

（私を含め）日本語ネイティブな人にとって日本語を話すことは無意識に、感覚にできることなのでそもそも伝わっているかを考える機会はそこまで多くありません。

一方、外国語、つまり自分の母語ではない言葉を勉強する場合「伝わらない」がスタート地点です。そこから、どんな単語を組み合わせて、どう発音したら自分の意思を相手に「意図通り」伝えられるか、どうしたら相手の意思を「意図通り」聞き取れるようになるかを日々考えることになります。

この「そもそも伝わらない」を出発点として考えるというのは、コミュニケーションにおいてとても大切なことではないでしょうか。

私自身日々反省なのですが、例えば日本語ネイティブ同士の会話であれば「なんとなく話していれば通じるでしょ」と感覚的になってしまいがちです。なんなら「こんなに一緒にいるのだから言葉なんてなくても通じるでしょ」なんて事まで...🙇‍♂️

しかしここがコミュニケーションの大きな落とし穴で、「以心伝心」とは行かないのが仕事におけるコミュニケーションなのです。

日本語＝外国語と考えるとコミュニケーションを客観視できる！

繰り返しになりますが、外国語を学ぶと「伝わらない→伝わる」を学べる、つまりはコミュニケーションそのものを1から体系的に勉強することができる、と私は考えています。

同じように「日本語も外国語だ」と考えてみるのはどうでしょう？

もしそのように、日々の日本語でのコミュニケーションを「学ぶべき言語」「伝わらないが当たり前」として客観的に捉えることができたら、日々の仕事でのコミュニケーションの質も向上させることができるかもしれません。

次の章以降では、外国語の勉強でよく出てくる用語について、それぞれ「その目線で日本語を捉えると？」と考えながら日々のコミュニケーションを違った視点で考えるチャレンジをしてみたいと思います。

1.主語

誰かと話すときや書くとき、「誰が」の部分をなんとなく省略して話していませんか？

私が勉強していた中国語や英語は大抵の場合主語を省略することがありません。すべての文には基本的には主語が必ずあります。

しかし日本語の日常会話では多くの場合、主語を省略しても文章が成り立ちます。

日常生活においては、主語をそこまで重要視しなくてもコミュニケーションは成り立つかもしれません。

しかし、仕事においては違います。口頭にしろ文面にしろ、主語が何（主語）でそれがどうしたのか（述語）　を正確に伝えなければチームメンバーやクライアントと適切なコミュニケーションはできません。

コミュニケーションでうまく行かないとき、逆にうまく伝わったなと思ったときに、外国語を勉強するときに学んだ主語と述語、つまり「伝える」の基本の大切さに気付かされることが多いです。

2.単語

英語を勉強してる時、なんで同じ意味なのにいくつも単語があるんだ？これ全部暗記するの？と思ったことはありませんか？

例えば、manyとa lot ofとlots of、どれか一つでいいじゃん、と英語を勉強し始めたとき思ったりしていました💦

でも当然ですが、それは日本語も同じ。「いっぱい」「たくさん」「大量」、などのように、ニュアンスの違いや前後の言葉との組み合わせ、話し言葉と書き言葉、等によって近い意味の言葉でもたくさん単語があります。

さらに、個々人のバックグラウンドや、方言、今まで働いてきた会社などによっても、よく使う単語や、その意味、ニュアンスが違ったりします。

そういった背景を踏まえ、私は自分が話す言葉や書く言葉がその人にとって理解しやすいものになっているかを意識しながらコミュニケーションしています。

ところで、単語といえば、最近自分が社内用語を多用していることに気付かされ反省しました。。

というのも、先日新しく入ってきたメンバーに「のなみさん、XXXってどういう意味ですか？」と度々質問されたのです。そのように質問されるまで自分が社内用語を使っていることに気付くことができませんでした。

同じメンバーで何年も一緒に仕事をしていると、それらのメンバー間でしか通じない単語が生まれたりしませんか？

文脈（背景、メンバーが目指す方向性）を共有するチームメンバー同士において、社内用語は効率の良いコミュニケーションを行えるという点でメリットもありますが、新しくメンバーになった人や普段やり取りの多いメンバー以外の人とのコミュニケーションの際には注意が必要であることを理解しておきましょう。

3.文脈

英語のテストでよく、「下線の"it"が示す言葉を答えなさい」、というような問題があったと思います。文章の理解と同時に文脈の理解を問う問題です。

プロダクトマネージャーとしてのコミュニケーションにおいても、この文脈を非常に重要視しています。

PdMの業務においてあるプロジェクトの要件や仕様をデザイナーやエンジニアに伝えるとき、Figmaやスライドを使って要件定義書を作成します。この資料の1番最初には必ず、「なぜこのプロジェクトを実行したいか」の説明を記載しています。

なぜなら、この資料を読む人にまずはこのプロジェクトの「文脈」を知ってほしいからです。

文脈という言葉を「背景」や「Why」という言葉に置き換えた方がわかりやすいかもしれません。

上記のような資料の作成だけではなく、全社向けのイベントで話す機会がある時や、普段の1対1のコミュニケーションでも、文脈（＝背景）を必ず意識しています。

「文脈」を体系的に学ぶことができた書籍があるので紹介しておきます。

この本を何度も読んで、「コミュニケーションにおいて、まずは相手の理解の度合いを推し量る。そしてその度合いに応じた背景から話す」ということなど、コミュニケーションにおいて大切なことを学びました。

わかりやすく説明する練習をしよう。 伝え方を鍛える コミュニケーションを深める

4.文法

動詞、名詞、形容詞、副詞…

外国の勉強において、このような文法用語がたくさん出てきますよね。

実は私はこれが結構好きで、中国語においても「結果補語」とか、「方向補語」のような文法用語を勉強するのがなんとなく好きで、未だに覚えていたりします。

学生時代には身近だった文法用語も大人になると意識する機会は徐々に少なくなってくると思います。

しかし、外国語を学術的に勉強する場合、文章の中の単語一つ一つを文法的に解釈できるぐらい、一語一語を分解して考えることができるようになる必要があります。

そんな経験もあってか、例えば「このSlackのやり取りで自分の言葉がなぜうまく伝わらなかったのか」といった振り返りをする時、「ここで時制が明確ではなかったから齟齬が出たんじゃないか」とか「ここで疑問文として伝えたかったけど反語表現のように伝わってしまったかもしれない」のように自分の文章や過去の言動を文法的に解釈しながら振り返ったりしています。

「なんとなく伝わらなかった」ではなく「なぜ伝わらなかったのか」を具体的に解釈し、自分にフィードバックすることによってよりよいコミュニケーションができるように、日々精進しています。

伝わる日本語は「やさしい日本語」

話は少し変わりますが、近年、自治体の中には日本に住む外国人に対して簡単で伝わりやすい日本語、「やさしい日本語」を導入しているケースがあります。

在留支援のためのやさしい日本語ガイドラインほか | 文化庁

行政が情報を伝えるときに、特定の言語を併記して行うのではなくすべての国の人とってわかりやすい平易な日本語を用いる事によって、外国人だけではなく、子供や高齢者、すべての人にとってユニバーサルな日本語で情報発信を行うというものです。

私自身も業務においてこの「やさしい日本語」のように、誰にとってもわかりやすい日本語でのコミュニケーションを心がけています。

「相手に寄り添って伝える」という意味でコミュニケーションの質を高める方向として共通点を感じたので紹介させていただきました。

まとめ

今回は私が普段意識をしている、外国語学習の観点から考えたコミュニケーションの振り返りと改善について紹介しました。

人によって、その評価や改善の方法は様々だと思いますが、大切なのは日々の業務において「コミュニケーションして終わり」ではなく、定期的に自分自身でフィードバックする仕組みを作っていくことではないでしょうか。

私も、この記事を定期的に読んで、振り返りができているかを確認していきたいと思います（自戒💦）

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最後まで読んでいただいてありがとうございます。

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