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【建築・インテリアを考える前に読むブログ】第7回 Arch Design Award 2023受賞作品解説シリーズ~Silver award「Morigo Seiki」~

今回のテーマは前回に引き続き先日受賞したArch Design Award 2023の受賞作品についての第2弾です。

Silver award オフィス「Morigo Seiki」


動画で解説していますので下の画像をクリックしてご覧ください。


https://youtu.be/ii6XAEZWemw

以下から書き起こし文章でもお読みいただけます。


クライアントの要望

クライアントは精密機械の製造や設計を行う会社で、
設計チームのオフィスをデザインさせて頂きました。

「精密機械の設計チームなので、皆が集まりワイワイガヤガヤと仕事をするわけではなく、スタッフ各々がPCで図面作成を行う為、全体的に明るい空間というよりも、各々が仕事に集中できるような落ち着いた雰囲気の空間を作ってほしい。」
というのが要望でした。

デザインコンセプト

リノベーションをする前は昔の研究所、工場のようなイメージでした。

そこで今風の研究所、Laboratoryをデザインしたいなという思いでスタートしました。

天井は煌々と光っているというよりも、ベース照明として少し照度を落としたペンダント照明が垂れ下がっており、工場のような雰囲気がありつつも、今風のモダンな空間を表現したいなという思いで、デザインしました。

デザインワーク

例えば壁にはモルタルを採用したり、天井はブラックと言ったふうにダーク系で構成したのですが、ダーク系のみで構成したら無機質でソリッドな空間になってしまいます。
スタッフは男性が多いのですが、やはり女性もいらっしゃるということで、
どこかに柔らかい感じも出したいなという思いで、
入口入って正面すぐの腰壁のところにRの腰壁を入れたり、
明るめの色の木目を入れたり、その他に天井と壁の入隅の部分に
間接照明で照らされたグリーンを置いてみたりと、
硬い空間の中にも少し柔らかさを出して仕上げてみました。

プラスの要素

オンとオフの両方の時間を過ごせるように考え、
オフタイム用の空間としてバーカウンターや長さ4.5mのベンチシートを置きました。

その他、ミーティングもされるということで、
防音性の高い壁で囲った会議室も作りました。
また、図面関係が保管できる部屋も設けているのですが、
いかにも保管スペースですよというよりも、
何気なく扉を開けたら、実はその中は保管スペースだったというように、
全体的なデザインの統一性を持たせた上で様々な機能を持ち合わせた空間に仕上げています。

AWARD受賞について

日本とヨーロッパで好みのテイストに違いがあるのかなと感じるところがあり、
オフィスなんですけれども、一見オフィスっぽくないところを評価して頂き、
賞を取れたのかなと思います。

出来上がった空間の写真を知人に見せたら、
「オフィスと言うよりもカフェ?」と言われたんですね。

ギャップの部分がウケたのかなという感じがしますし、
実際にクライアントにも完成した空間を見て頂いたら、
やはりいかにもオフィスという感じではないところが
喜ばれているのだろうなと感じました。


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