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夫婦と顔、あるいはノムさんと沙知代について

先日、通勤電車でふと気になる夫婦がいた。

近くにいた訳でなく、遠目に拝見しただけだが雰囲気と顔が何か似ているのだ。 


似たもの夫婦。
兄妹のように似ているが、何故か私たち兄妹でありませんと訴えて来る何かを感じる。

この件は前々から気にはなっていたが、いつも最終的にこの夫婦にたどり着く。


ノムさんと沙知代婦人だ。


またアラフィフ世代の内容で恐縮だが、名プレイヤーに名監督なしを覆したノムさんこと野村克也さんと、サッチーでお馴染みの沙知代夫人だ。

ところで個人的な話だが、野村克也さんには勝手にお世話になった。

私は、元野球少年だった。

と言っても特別上手い訳でもなく、普通の野球少年だった。いや普通に下手くそだった。



だが、野球は大好きだった。



私が小、中学生の頃はキャプ翼全盛期で、みんながみんなサッカー部だった。

そんな時代だったが、我が家は野球好きの父の影響と昭和の真っ只中と言う事もあり、その当時はテレビ=ナイター中継の巨人戦という感じだった。

自分もそれが当たり前の感覚であったし、野球部時代は神奈月でお馴染みの原辰徳モデルの木製バットを買ってもらい、テレビに齧り付き巨人軍を応援する所謂ジャイアンツファンだった。

だが、高校に進学すると自分の限界と親へちょっとした反抗や天邪鬼の性格も災いし、当たり前だった巨人ファンを離れる事になる。

捻くれた性格は変わってないが、同じ東京なのになんでヤクルトを応援しないのかとふと思ってしまったのだ。


だが、正直言って弱かった。


それに比例するように人気も無かった。


だが誰も予想もしなかった黄金時代がやって来たのだ。

ある監督が就任した事で、ヤクルトの歴史が変わった。


野村克也監督だ。



あの愛のあるボヤキキャラと、野村再生工場と言われた画期的なシステムを作り上げ、数々のスター選手を育て黄金時代を築いた。


何しろ野球が面白かった。


ホームランぼこすか打って、派手に勝つ野球ではなく、適材適所でみんなが機能して、結果勝ちを積み重ねた。 


ほんとチームとして、魅力的だったのだ。

ノムさんには、少年時代だけでなく大人になっても助けられた。

社会に出てから、数年、いや結構長い間モヤモヤしていた。

建築を好きでそれなりに勉強して、頭でっかちな自分は、自分の実力を分かっていながら、無理して背伸びしていた。

到底無理なのに、上しか見ないようにしていた。

そんなモヤモヤ期に出会ったのがノムさんのこんな思想だ。

超二流

一流は無理でも「超二流」にはなれる。


いや、全く私はここには当てはまらない。一流とか二流のレベルでく底辺の人間だが、もっと広い意味でノムさんの思想を勝手に解釈し、都合良く受け入れたら、なんかめちゃくちゃ楽になった。

1番重要な事は、自分の長所短所、あるいは立ち位置を理解し、何を伸ばすかを見極める事だ。 


いくらでも自分を生かすフィールドはある。

あとは自分の長所を伸ばすだけだ。

皮肉な事に、この事に意識を全振りするとちょい苦手な事も吸収しやすくなる。

ノムさんに打てない事で自衛隊と揶揄された守備のスペシャリスト宮本慎也が2000本安打を達成したのは、本当に凄い事だと思う。(本人の努力は勿論ですが、ノムさんの眼力は凄いと勝手に思ってます)


だいぶ回り道をしたが話を戻そう。

ノムさんと沙知代さんは、顔、雰囲気が似ている。

正確には時が経つにつれ似ていったようだ。
明らかに結婚当初とノムさんが監督をやらなくなった辺りのお二人の顔は違う。
お互いが寄せて来た感じだ。

野球繋がりで行くと、連日テレビだけでなく世間を賑わす偉人レベルの大谷選手と真美子夫人も似ている。(もっというと大谷選手のお母様と似過ぎだ)

この似ちゃう現象は、どうやら科学的というか心理学的にも説明できるものらしい。

一緒にいることで相手の表情、癖などを無意識に真似てしまう事から来るとの事。

我が家は今のところ、全く似ても似つかないが、じいちゃんばあちゃんになり、妻は私のようにゲジゲジ眉毛になり、私はほとんどないんじゃないというぐらいの眉毛になるのか。

どんな感じになるのか、楽しみにしたい。


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