記憶し語り継ぐべきこと共
子供の頃から、盛夏の8月の暑さと「前の大戦の記憶」は、
重なって感じている。
兵隊さん達の辛い行軍や戦闘、飢えに苦しむ話を、
東南アジアや、遠い南の島の情景と共に聞いていたからかもしれない。
生まれてもいなかったはずなのに
映画やドラマ、学校や本で
繰り返し
見たり、聞いたりした戦争の記憶たちは
澱のように、私の中にも沈んでいる。
学校で
「日本は戦争で焼け野原になったのに、
どうしてこんなにも早く経済大国へと成長できたのかと
世界から不思議がられています」
といった、教師の言葉を聞いたけど
映画やドラマでしか見ていなくても
帰ってくることが出来た人たち、生き延びることが出来た人たちが
帰って来られなかった戦友や、
命を奪われてしまった家族や
友人たちのことを想い
不幸なことは全て忘れて じぶんだけ幸せになろうなんて
思えなくて
ただただ毎日
辛い記憶を頭から追い出したくて、
もう会えない人たちへの 供養や弔いのつもりで、
がむしゃらに 一生懸命働いてしまったから
結果として 国が発展しちゃったんじゃないの って
高校生くらいにはもう、自分なりの答えを見つけてた。
ONE OK ROCKの 『Fight The Night』に、
映画『永遠の0』の映像を合わせた動画がYouTubeにあって、
私は『永遠の0』の原作は読んだけど
この動画をみて、映画の方は観るのをやめようと思った。
たぶん無理だ。
まともに全部観てしまったら、あの戦争に巻き込まれた
すべての人たちのことや
各々が持っていたであろう さまざまな想いに また
心が持っていかれてしまって
気持ちがふさいで
私の場合
普通の状態に戻るまでに
下手すると一か月くらい、使い物にならなくなってしまう可能性が・・・
(表面的にはちゃんと普通に受け答えなど出来ますが、
けっこう引きずられる傾向があるので・・・
『ひめゆりの塔』なんて、記憶するだけでも、同じタイトルの映画を3種類くらい、学校でも家のテレビでも観せられて、そのたびにしばらく落ち込んでた。)
この歌詞にある < another day > は
文字通りなら 「別の日」で、
夜が明けて 新しい陽が昇れば
それはたしかに もう一つの 「別の日」なのだけど
昨日と同じ 戦っている今日なら
ここで彼らの言う< another day >ではないのではないかと
私は感じる。
Takaの歌い方も、感情を強く前面に出すというより 抑えた感じの
すべての物事を達観しているかのような 静かな歌い方で、
それが私には
寡黙に任務に赴いていった 兵士たち自身と
イメージが重なって聞こえる。
敵艦へ突っ込む数秒前の 微かな笑顔を
岡田准一さんは見事に表現して見せているけど
(「みんな、ありがとう。幸せに」
「ごめんな」
「お前たちをこれ以上前へは進ませない」
「俺もいまそこへ行くぞ、待っていてくれ」
「我が人生に悔いなし」 ・・・・・・
私には、これら全てがあの表情のなかに表現されているように見えた)
いつか目にした、 あの中のお一人だった兵士のかたの
ご家族へ残した手紙のなかで
「明日は 笑って行きます」という一文があったことを、
私は思い出した。
そう書くと同時に 未来にあったはずの
どれだけ多くの さまざまなものを
そのかたは断ち切り、諦めたのだろう・・・
<ルーズベルトニ与フル書> を残された市丸少将、
「沖縄県民カク戦ヘリ」の電文を、必死の思いで打たれた大田少将、
そしてなによりも
伝えたかった言葉を残すことが出来なかった 多くのかたたち・・・
この曲の最後の音は そうやって命を閉じて行かれた皆さん方の
最後の脈動の音みたいに聞こえる。
この世での最後の 心臓の鼓動の音・・・・
あの時代の人たちが ああやって必死に
身体を張って
命をかけて 守ってくれたから
この国は今も 息を繋いでいる。
私は そう感じている。
だから 心から感謝をしている。
私も なにかしなければと 感じている。
昔は、直接的な軍縮のために働きたいと思っていた。
けれど成長し、世の中を知るにつれ
世界のことを知るにつれ
大きな目的を遂げるためには
例えるなら
木製のからくり箱が
あちこちの 小さな部分を少しずつ
順番を間違えずに動かしていって初めて、箱が開けられるように
一歩一歩 忍耐をもって進めなければ
成就は望めないだろうことを、学ぶことができた。
世界平和や軍縮など、究極の最終目的だけを直接的に、
現実を考慮に入れない理想論だけを声高に、ただ唱えるのは
からくり箱の順番を無視して、乱暴に箱をこじ開ければ良いと言っているに等しいと、
今なら活眼をもって指摘できる。
箱(世界や私たちの生活)を危険にさらさず、
箱を開ける(世界平和を構築する)ために
いま必要なものは何か
備えるべきものは何か
そして逆に 排除すべきものは何か
平和への道を整えるためには、
私たちは各々それを、自分の頭で考え、
自分自身もその道を敷く当事者の一人である自覚を持たなければいけないと思うので
終戦記念日くらいはそういったことを
すこし、考えてみませんか?
以下、その『Fight The Night』の動画です。
動画内でも日本語訳が紹介されていますが、
私も自分の言葉で翻訳しました。
*翻訳の意訳部分について一言。
It’s late は本来「もう(時間が)遅い」という意味だけれど、
兵士の仕事は、「もう遅くなったから帰ろう」という仕事ではないと思ったので、直訳ではなく、遅れたぞ、先に進もう、というニュアンスに意訳しました。
(こういうコト別にいちいち言わなくてもいいかな?でも学生さんも読んでくれてるかもだし、混乱させないために、一応。)
🌟<ルーズベルトニ与フル書>、みなさんご自分で調べて、全文を読んでみてください。
どんな状況下で書かれたものなのかも。
市丸少将は、英文と和文の両方を用意されていて、
それを読んだ、心あるアメリカ人達には、少しは響いたらしいです。
442部隊の日系人たちの姿も目にして、初めて日本人の真の姿を知った人たちもいたでしょう。
私もこれ等のことを知ったのは、インターネット上で、今回の帰国(2011年)以降でした。帰国して、正直、違和感を感じたんです。あれ、何か違う… 日本て、日本人て、こんなだったっけと。それでいろいろ調べる中で、発掘したり、遭遇できた情報たちです。
学生時代、学校では「全く」習いませんでした。教師も知らなかったのではと思います。
🌟この際ですから、<War Guilt Information Program>についても調べてみて下さい。
私自身や皆さんが学校で受けた教育、いま一般日本人たちが持っている戦争に対する認識そのものが、これが実在したことを証明していると思います。
私は最初、愕然としましたが、でも様々なことが腑に落ちて、いろんなことが納得できました。
*三浦春馬さんのご冥福をお祈り致します
<Fight The Night> 戦いの夜
Here comes the rain
雨だ
So many scars never fade
決して消えることのない 無数の傷跡
This is the price of war and we’ve paid with time
これが我等の戦いの代償
時間と共に捧げてきた・・・・
We’ll fight fight till there’s nothing left to say
我々は闘う
もう何も言うことはない と言えるときまで
(Whatever it takes たとえ何を犠牲にしても)
We’ll fight fight till your fears they go away
俺たちは闘う
君の怖れが全て消えて無くなるまで
The light is gone and we know once more
陽が落ち 俺たちは決意を新たにする
We’ll fight fight till we see another day
我々は闘い続けると
皆で「その日」を目にする時まで
Let’s move along, it’s late.
動こう 遅れたぞ
The Sun will rise once again
太陽が ふたたび昇る・・・
This field is lined with the brave souls in relief
この戦場には 今は安らいでいる勇敢なる魂たちも
従軍してくれている
We’ll fight fight till there’s nothing left to say
我等は闘う 伝えるべきことを全て伝え切るまで
(Whatever it takes そのためにどれだけ
何が必要であったとしても)
We’ll fight fight till your fears they go away
僕たちは闘う 皆が恐怖に怯えなくて済むように
The light is gone and we know once more
光が見えなくなっても 自分たちには解ってる
We’ll fight fight till we see another day
我々は闘い続けると
今とは違う「別の日」を 共に見る時まで
Another day……
今日とはちがう 別の日を・・・・
Whatever it takes……
そのために 何を供しようとも・・・・
Here comes the rain
雨が降る
So many scars never fade
風化しようのない 数々の痕跡
This is the price of war
こんなふうに 時と 金を 費やした
And we’ve paid with time
これが我等の 戦争の代償
We’ll fight fight till there’s nothing left to say
我々は闘う
言い残すことが一つも無くなるまで
(Whatever it takes たとえどんな犠牲を払っても)
We’ll fight fight till your fears they go away
私達は闘う
銃後の人たちの恐れを すべて無くすために
The light is gone and we know once more
暗闇だろうが 決意は変わらない
We’ll fight fight till we see another day
我等は闘い続ける
争いのないその日を 目にするときまで
We’ll fight fight till we see another day……
闘いつづける
新しい「その日」を見るまで・・・・
*こちらの動画もぜひ観てみてください。
これらの動画を作ってくださった方々に、心から感謝しています。
私がそれまで持っていた認識が、180度ひっくり返されました。
涙が流れました。
聞いていた話と全然違うことに驚きながら、
「え、待って、どういうこと…?」
と心の中で呟きながら。
再生時間 8:08
再生時間 5:10
もう少し時間がある方へ。(再生時間 16:11)
書いたものに対するみなさまからの評価として、謹んで拝受致します。 わりと真面目に日々の食事とワイン代・・・ 美味しいワイン、どうもありがとうございます♡