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読書:REVERSE MENTORING

by Patrice Gordon

読みやすさ ★★★★★
活かしやすさ ★★★★☆
目新しさ ★★★☆☆

通常、「メンタリング」とは、指導者側や経験者側が「メンター」、部下や経験の浅い側が「メンティー」として行われる。
本書は、「リバース」が冠されている通り、逆方向のメンタリングを指している。

職場や社会におけるインクルージョン&ダイバーシティが叫ばれて久しい。

いわゆる「マイノリティ」と言われる、異なる環境で育った人、大多数とは違う心身の特性を持つ人などが「メンター」となり、上司やマネジメントを「メンティー」として、対話からの気付きや変化を発見していくことの重要性が書かれている。

英国への移民1世である著者が、実際に他者からの差別や偏見から向けられた態度や言葉をもとに、
マネジメントと対話を重ね(そこには辛さと悲しみもあったはず)、人事システムに反映されるようになったのか、
というストーリーテリングから章が始まる。

メンティーの心構え、メンターの心構え、
人事部門の責任、初回セッションの重要性、
その後の振り返りと評価、なども端的に書かれており、実用的。
リバースメンタリングを取り入れようとしている会社にも良い参考になりそう。

著者本人が本書の内容を完結に話したTED動画があった。
十把一絡げにはできないけれどつくづく思うのは、欧米でビジネス本を出す人って話すのもとっても上手。スピーチトレーニングとか受けてるのかしら。

なお、「Neurodiversity(ニューロダイバーシティ、脳の多様化)」という言葉を私はこの本で初めて知った。
この分野はまた別の機会に深掘りして学びを深めたい。

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