雨、降りしきる夜の窓辺・7
「地上から零念が消えることはない。それほど人間は穢れている。それでもお前は、この世界を浄化し続けるのか?」
「はい」
「お前に宿る災厄全てを放てば、一時的だが浄化は進み、清らかな世界になる。お前も自由になる。その可能性を試そうとは思わないのか?」
「はい。全く」
「なぜだ?」
「失うものが大きすぎます」
「怖いのか?」
「否定できませんね」
交えた視線は互いの真剣さを伝え合い、相手が動く時を見逃すまいと、瞬きは訪れない。
少年の前髪。見間違いかと思う程の微かな動き。そ