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【発達×英語】TOEICについて思うこと

 先日、久しぶりにTOEIC(L&R)を受けてきました。前回受けたのが2017年3月だったのでちょうど6年前になります。私がTOEICを初めて受けた頃の受験者は英文科や英語専攻と思われる女子学生や若い女性が大半でしたが、最近は30代~40代の男性の受験者が増えているように思います。会社の昇進条件の一つとしてTOEICスコアが求められる所が増えてるからでしょうか。

 TOEICのよいところは英検のように合格・不合格ではなく成績をスコアで表示することかもしれません。ネガティブな記憶を引きずりやすい発達当事者にとって「不合格」の文字を目にするのはメンタルにもあまり良くない気がしています。実際私も英検1級に挑戦していた頃は何度も結果通知に「不合格」の文字を見ては必要以上に落ち込んでましたから。

 年に3回しか試験のない英検と違い、TOEIC(L&R)は試験が毎月のようにあるのも「受けたいときにすぐ受けられる」手軽さがあってよいと思います。最近は午前の回と午後の回が選べるようになり、より選択の自由度が高くなっているのもありがたいことですね。
受験料は7,810円と年々高くなってはいますが、それでも英検の上位級に比べると安いです。昔は英検1級のほうがTOEICより安く受けられたのですが今は11,800円もするようですね。

 私が大学生の時に初めてTOEICを受けたときはリスニングのスピードに圧倒されて「何を聞かれたのか全くわからない」と絶望したものですが、今のほうが当時よりも格段に問題は難しくなっていると思います。今の米英加豪4ヶ国と違ってリスニングのスピーカーは米国人だけでしたし、会話問題は2人まででした。図やリストを見ながら設問に答える問題も当時はありませんでした。リーディングの長文問題のテキスト量も体感では昔の1.5倍はあるように思います。
今の形式に慣れた受験生が昔のTOEICの問題を見たら「こんなに楽だったの?」と思ってしまうかもしれませんね。

 TOEICの勉強は何度か壁にぶち当たることがあるように思います。私の場合は何年も800点前半から上に行けなかった時期があり、かなりフラストレーションが溜まりました。当時出入りしていた英検1級受験の掲示板に「TOEICで点が伸びなくて困ってます」と投稿したところ、「何年も800点前半に留まってるのは基本的な英語力が足りてないからでは?」とバッサリ斬られてしまい「さすが英検1級目指す人たちの言うことは厳しいな」と凹んだものです。しかしその英検1級向けの単語集を集中的に暗記したら割とあっさりと860点をクリアしたので、もしも勉強量に比べてTOEICのスコアが伸び悩んでる自覚がある方は試してみる価値はあると思います。

 一般的にTOEICはリスニングのほうが点を取りやすいとされていて、実際に受験者平均のスコアもリーディングよりリスニングのほうが高く出ています。私の周りでも「リスニングに比べてリーディングが難しい」と言う人のほうが多いです。
 私はこの逆で、リスニングが大の苦手です。聞き取り自体苦手(日本語でもしょっちゅう聞き間違えたり聞き返したりする)なのと、ワーキングメモリが弱く聞いた内容を長く覚えていられないために、毎回5問ぐらいは全く「ぬり絵」になってしまいます。やはりAPD(聴覚情報処理障害)とADHDにはリスニングは不利なのでしょうか。たとえナレーションや問題文が日本語だとしても満点を取る自信は全くありません。先ほどの英検1級掲示板の常連さんで「TOEICのリスニングは日本語を聴いているのと同じぐらい簡単だし内容も書き起こせる」という方がいて、一体どういう耳をしているのだろうかとひたすら羨ましく思ったものです。
 一説によるとリスニングよりリーディングのほうがスコアが上という人は受験者全体の数%しかいないのだとか…こういうところでもマイノリティになってしまうのですね。

 リーディングも昔は文法知識と語彙力があれば高得点を狙えましたが、新方式になってからのリーディングは「大量の文章の中から必要とされてる情報を素早く取り出す」「明示されていない情報を複数の文章の中から推測する」という、ASDかつ処理速度が凹タイプという人は特に苦手に感じるのではないかという問題が増えています。
 Part7は試験終了時間が近づいたところでヘヴィーなトリプルパッセージが出てきます。時間ギリギリの状態で3種類の文章を読まないといけないのはそれだけで頭がパニックになりやすいので、文法問題のPart5、Part6をできるだけ早く済ませて長文問題のPart7に取り組む時間を増やしたいものですね。
 私の体感ではリーディングは全問解き終わって残り時間が2分以上あれば高得点が期待できます。新方式のリーディングは何をおいてもとにかく「速読力」なので、日頃からたくさんの英文を読んで慣れておくといいと思います。とはいえ語彙も文章のスタイルも全くTOEICのPart7と異なる海外雑誌や新聞の記事や洋書を読んでもあまり効率は良くないので、読むのはPart7の問題集がメインでよいと思います。

 しかしここだけの話、TOEICの勉強って楽しくないですよね。Part7の長文問題も素早く回答するために先に設問を読んで解答に必要な箇所だけ探して読む、みたいな試験テクニックに頼ると元の文章を読んで楽しむ余裕などほとんどありませんから。読解力もあまりつかないような気がします。これは個人的な反省なのですが、TOEICありきの勉強をしてしまうとそのスコアに対する世間的イメージと実際の英語力との落差がどんどん広がってしまうのです。私も今はスコアが900前後ありますが実際の英語力がお粗末すぎるので周りにはとても恥ずかしくて言えません。

 特にTOEIC向けの勉強をしなくても余裕で高得点が取れるぐらいの英語力をつけるのが私の理想ではありますが、まだまだ先は遠そうな感じです。

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