見出し画像

【発達×英語】I'm sorry.は便利な言葉

時々、私のASDの特性や困り事についてツイートまたはnote記事を書くとASD当事者の配偶者を持つ定型発達者の方から「私の夫と同じです。それが定型の私にはとても辛いのです。ASDを相手する定型側の気持ちも考えてほしい」というコメントをいただくことがあります。
そのようなコメントに対してつい「ごめんなさい」と返事をしてしまうのですが、時々「私は夫じゃないのに何で私が謝ってるんだろう」と思うことがあります。
別に彼女たちも私に謝ってほしいわけではないと思うのですが、それこそ相手の気持ちを察するのが難しいASDですから「一体私にどうしてほしいんだろう」と戸惑うことがあります。

以前、共通の趣味で知り合って度々メールのやり取りをしていた友人が、例によって遅筆の私がなかなかメールの返事を出さないことに「傷つきました。私の存在が無視されたみたいで辛い。『謝って』と私から言うのも情けないけど、あなたのことで傷ついた私の気持ちを知ってほしい」と苦言してきたことがありました。
この時も「私にどうしてほしいの?」「メールが遅れる理由は説明したよね?」「『気持ちを知ってほしい』と言うけど結局謝ってほしいんじゃないの?」と混乱してしまい、メールの返事を書くのがますます億劫になってしまったことがあります。

おそらく、このような訴えに対して「ごめんなさい」は答えとしては不正解なのです。それは「私が悪かった」という「私の話」でしかないからです。状況によっては「謝ったんだから私を許してよ」と伝わってしまい相手をさらに苦しくさせてしまうかもしれません。「あなたは私のせいで辛かったんだね」と相手の気持ちに寄り添う言葉が必要なのだと思います。しかし感情表現の語彙に乏しい私はそのような状況における適切な言葉を見つけられないでいました。

最近、そのような状況にピッタリ当てはまる言葉は「I'm sorry」なのだということに気がつきました。
「I'm sorry」は「ごめんなさい」の意味で使われることが多いですが、イコールではありません。家族の不幸など相手に辛いことや悲しい事があったときに「お気の毒です」「残念です」というニュアンスの、相手の気持ちに寄り添うときに使われることも多い言葉です。
「ごめんなさい」と「あなたの辛さを受けとめています」の両方を「I'm sorry」という言葉に託すことができるのは便利だなと感じます。

今は「ASDを相手すると疲れてしまう」みたいなツイートを見かけたら「ごめんなさい」の代わりに「I'm sorry」と心の中で呟くことにしています。
「日本語にはない自分の気持ちを表す言葉」を見つけられるというのは、外国語学習のメリットの一つだと感じています。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?