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【発達×英語】interestingという便利な言葉

 最近の子たちは小学生から学校で英語を習い始めるようですが、私が子供だった頃は初めて英語の授業を受けたのは中学1年生のときでした。私の学校で使っていた英語の教科書は「ニューホライズン」(東京書籍)だったのですが、その中1向けのテキストに「Mathematics is interesting.(数学は面白いです)」という例文があったのでした。
 interestingの意味は多分授業で教えてもらったのだと思いますが、「一般的に『面白い』はfunnyだけどそれは『笑える』という意味の『面白い』であって、interestingの『面白い』は『笑える』というよりは『興味深い』という意味だから、数学の面白さを表すときはfunnyよりもinterestingを使うんだよ」という説明を聞いたときに「あー、私がいつも求めている『面白い』ってinterestingの方なんだ!」と感激したのを覚えています。
 「interesting」については単語そのものよりむしろinterestingの意味する「興味深い」という概念を学んだと言えるでしょう。

「イヤ」「苦手」を前向きに変える「interesting」の力

 私にとって、interesting(面白い)は自分の気持ちを表すのに最も便利な言葉です。
 日頃から「嬉しい」や「悲しい」よりも「面白い(興味深い)」とか「難しい」と言うことが多いのですが、感情表現に苦手意識があるからか感情をそのまま表すより感情を一旦思考のフィルターに通して表す方が気楽なのだと思います。
 また「イヤ」「無理」「苦手」とついネガティブな感情ばかり前に出てしまいがちな時に「でも興味深い」と思えるものがあれば、それだけでもネガティブな感情から楽になるように思います。さすがに「好き」までにはならないと思いますが「興味深い」というフィルターをかますことでニュートラルな気持ちになれれば、ネガティブな感情をストレートに相手にぶつけてしまって人間関係を拗らせるみたいなことは避けられるのではないでしょうか。

発達当事者は他者と「interesting」でつながれる

 以前の記事で「定型発達者と発達障害の当事者、特にASD当事者とでは同じものを見ても反応するポイントや感情の動きが異なるため、お互い心から共感するというのはなかなか難しく「頭で納得できればそれでよしとする」が落としどころ」だろう、ということを書いたことがあります。

 「ASD同士は共感できる」と言われることがありますが、これも「共感」というよりはどちらかというと「納得」という感じではないでしょうか。私もですが普段の会話の中に「なるほど」「興味深い」があればそれで「楽しく話ができた」と満足できてしまうところが特にASD当事者にはあるように思います。
 よく「ASD同士の会話は事実のやり取り、定型同士の会話は気持ちのやり取り」と言われますが、さすがにASDでも事実やデータを淡々と際限なく報告し合うわけではなく、そこには事実やデータに対する「興味深い」という気持ちが根底にあるはずなのです。

 とはいえ定型発達者の多くは、やはり会話してる中で「相手と気持ちが通じ合える快適さ」がないと「楽しくない」と感じるのではないでしょうか。実際に私自身、過去の会話においてこちらが「楽しく話ができた」と満足していても相手に「何か伝わらなくて疲れる…」と思わせてしまってたことが度々あったように思います。

 定型発達者同士が当たり前のように行う、お互いの気持ちを通じ合わせる会話というのは残念ながら私には難しいようです。
 でも、日頃私のツイートに対して「発達の人にはそう見えるのか~興味深い」とか「同じ発達障害でもこんなに特性が違うのか~なるほど」というコメントを下さるフォロワーさんたちが少なくないことからも、発達当事者は定型発達者とも発達当事者同士でも「interesting」でつながることができるのではないかと思っています。

 目下の課題は私がTwitterやnoteで「interesting」な話題を提供し続けることができるかということです。でも今までの経験からこちらが「読んでもらおう」と意識して書いたものよりも特に誰に向けたわけでもない独り言のようなツイートや記事のほうが反応が多かったりするのです。多分そっちの方が私自身すら意識していなかった私の「本音」が透けて見えてそれこそ「interesting」なのかもしれませんね。なので、特に気負ったりせずこれからも日頃思ったことをダラダラ書くスタイルで行こうと思います。

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