神経からは伝わらないロムの手渡し

私が習ったタイ古式マッサージは、「センを通るロム(風)の作用が心と身体の症状改善をもたらす」と考えられています。筋肉をほぐす、骨格を整える、リンパを流す、といった解剖生理学的な理論やテクニックは入っていません。でも、風が他の治癒力に働きかけることで身体が軽くなり、心が楽になります。疲労が火（熱感）として溜まっている場合は、タイ古式マッサージをやると汗をかきます。火が水に繋がると、リンパの流れや血液循環もよくなって、土の性質が整うと筋肉の緊張や硬さもほぐれます。
私はタイ古式マッサージが大好きで、タイ古式マッサージのよさを知ってもらいたいとの思いで、日々心地よさの手渡しに取り組んでいます。しかしながら、「こうなるといいな～・こうなって欲しいな～」という私の意思や思い（感情）はセンを通りません。私の気(意識)は通用しませんので、タイ古式マッサージは思う通りにはならず、時に私やお客様の意識や感情（期待）を吹き飛ばします。だからこそ面白くてやりがいがあります。タイ古式マッサージは神経からは伝わらないエネルギーの手渡しです。
以前までは、「大好きなタイ古式マッサージをもっと広く知ってもらいたい」という純粋な欲の実現のために、今後取り組まなければならないことが頭ではわかっているにもかかわらず、なかなか進まずにいました。ですが今ようやく方向性が定まりました。
今年は「サロンの存続」がテーマです。その目的のためにも、勧められたことや自分が決めたことに取り組んでみて「その後どうなるのか？」を確かめてみようと思います。その様子をいつものように風は見守ってくれることでしょう。風は見守るだけで何もしません。思考は頭と直結しているのでわかりやすいのですが、自然の流れや自然治癒力は「なんとなく」とか「気のせいかも」くらいの感覚で、神経の回路を通り抜けてしまいます。そのため、四大要素の存在は伝わりにくく、自然の効果を受け取るのはずっと後になってしまうこともあります。ただ、「なんとなく」はイメージではありません。風は神経を通らないためイメージはできません。なのに気のせいってどういうこと？その辺りがタイ古式マッサージのナゾ解きで、風の精霊は好奇心や冒険心や遊び心をくすぐります。風と仲良くなって一緒に遊ぶことができたら、色々教えてくれますし、時々空（くぅ）の世界からのメッセージを降ろしてくれることもあります。
私は「タイ古式マッサージが好き！」という純粋な欲でタイ古式マッサージをやりますが、結果や効果はすべて風まかせ。なので「お客様のご期待に添えなかったらどうしよう」というプレッシャーを気にする必要はありません。先日、お客様のダンナさまが９０分のご予約でいらっしゃいました。その方曰く「タイ古式マッサージってズルいね」とのこと。おっしゃる通り、タイ古式マッサージはテキトウでいい加減です（笑）。でも、その２日後に「腰がよくなったと喜んでいるよ」とお客様が旦那さんのご様子をラインにてお伝え下さいました。「あのお腹の動きはどうやって動かしているの？」と聞かれたので、「お客様のお腹の動きで私は動かしていません」とお答えすると「そんなはずはない！僕は信じない」というお客様の思いを風はきっと通り過ぎたのだと思います。風が作用すると気が楽になり、気が変わること、身体も軽くなります。
遅ればせながら、今年もどうぞよろしくお願いします。