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作詩-言葉たち-

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言葉を紡ぎ 詩を編む。 電子の海に浮かぶ一遍の詩集をどうぞご賞味くださいませ。
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2015年3月の記事一覧

戀華-レンカ-

身体の奥にあなたの声が残っている
あなたが奏でた音は
悲しげでも
未来の光が射していた

あなたがくれた光を闇を
どうすればいいのか
わからないでいる

ああ けれど
そんなことより
愛しているの

伝えるなんておこがましくて
この胸に密やかに燃やしているだけでいい
華のように

想っている想っているよ
それだけは許してね

ああ、ありがとう
あなたがいてくれることに
笑ってくれることに
ありがと

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闇底の天

なぜ生まれたのかと問いたいくらい
行き場のない情動 留まることを知らぬ
怒りとも悲しみともつかぬ想いが
泉の如く突き上げる

わたしがわたしを許せない
泣くことすらできぬ
空の慟哭

苦し紛れに立てた爪
痛みも荊の棘に切ない

天など見上げるほどに尊く
遠く 膜に遮られて
昏い底の地を見つめる

藻掻いて 足掻いて 底の底まで
立ち上がれない嘆きも果てるまで
光のみえない闇に眠ろう
許せない気力す

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水に浴する

清らかな水に打たれたら
この心に巣喰う闇も晴らせるでしょうか
水の流れにまかせ
風の向かう先へ
共に歩んでいきたいのに

無機な塊が邪魔をする
きっとそれはワタシが築いた
壊せど壊せど現れる
ああ なんて無機

光も闇も全部呑んでも
この異物だけは呑めやしないわ
流してしまうにはもはや
大きくなりすぎてしまった

少しずつ少しずつ瓦解させ
痛み苦しみ 涙流れても
この先はないと感じてるから
見ぬフ

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おりてきた瞳

閉ざされた瞼の奥に
何を描くのでしょう

まなざしの先にあなたは何を見るのでしょう

今のあなたは
あなたの歩みの果て
身体に刻まれた傷跡ですら
今のあなたを象る欠片

ねえ こっちを見なくてもいい
その眼が映す空が少しでも晴れ渡っているのなら
瞼の裏の青空がやさしい色であるのなら

だから ねえ
戻ってきたら 笑って。
あなたの微笑みに
また会いたいな
どうか あなたの心が
微笑みにほころびます

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花に寄す

無性に無性に
愛しているよと
叫びたくて
花に寄せる想いの端

光を浴びて
咲き誇れ

烈しい想いは香りに潜ませ
わたしのなかに燻らせるだけ
無闇矢鱈と言葉にはしませぬ
想えるだけで充分だもの

わたしはあなたに幸せでいてほしい
あなたが幸せでありますように
あなたが元気でありますように
あなたがあなたの為に力を尽くせますように

ただそれだけを祈っています。

©2015   緋月 燈

狭間の光

君はいつも狭間にいるね
朝と夜を繋ぐ暁
昼と夜を渡す黄昏

調和を奏で
迷いなどないように
しなやかに 確かに歩む君を
抱きしめる腕はあるのでしょうか
君が帰れる場所はどこかにありますか

迷える弱さをこの腕に抱きしめ
迷える強さはそっと支えて
君の光を守れたらいい
君の光が絶えぬように
紡がれる愛が君の火で満たされていますように
君のコンパスが心のままを示すように
空になって守れたら

そんなわ

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紡ぎ∞繋ぎ

ギターの弦をはじいて
鼓動の欠片を音にしよう

叫ばなくとも きっと届く
小さな音を丁寧に丁寧に紡いでゆけば
あなたにきっと届くだろう

僕は歌おう
あなたのために
いつだって あなたのために
詠っているから

あなたが笑ってくれるように
涙流すことを許せるように
自分を少しでも愛せるように
語り掛けるように
うたうから

どうか生きて
あなたの心が歓びに満ちていますように
幸せを感じていられます

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朱の狂騒-アケノキョウソウ-

朱く朱く燃えあがる
血に駆られ

甘い蜜のように奏でらる
ギターの音色
艶めかしく撫でる
この体は
狂ったように踊りつづけ

ベースの響きは
あのひとの囁きに似ている

愛を歌う旋律に煽られ
鼓動の高鳴りに共鳴した音が絶頂を迎える

零れる吐息は
愛の残響

抱きしめてくれる腕があるなら
どうかこのまま攫って
太陽の灯りに侵される前に

©2015  緋月 燈

AmijakanWatch htt

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燈火

燈火がほしい

世界に私は一人
でも世界はとても広くて
一人で歩くには果てしなく
大海原を羅針盤も持たずゆくかのよう

だから船乗りは星を見る
変わらず天に在る
星ぞ 燈火

けれど星は
一人の道を照らすには遠く
自分の姿が見えない

だから私には燈火が必要

足下を照らせるように
私を見失わないように
ここにいる証を抱きしめていられるように

そして私の燈す火が
誰かにとっても道標となりますよう

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