闇底の天

なぜ生まれたのかと問いたいくらい
行き場のない情動 留まることを知らぬ
怒りとも悲しみともつかぬ想いが
泉の如く突き上げる

わたしがわたしを許せない
泣くことすらできぬ
空の慟哭

苦し紛れに立てた爪
痛みも荊の棘に切ない

天など見上げるほどに尊く
遠く 膜に遮られて
昏い底の地を見つめる

藻掻いて 足掻いて 底の底まで
立ち上がれない嘆きも果てるまで
光のみえない闇に眠ろう
許せない気力すら尽きるまで
力尽きたら天を見上げよう
全ての力も 強さもなくせば
光は不意に堕天するか

翼をなくした光と目合え
片翼ずつでも比翼なら翔べる

君に詠うよ 此処は遠くても
闇のなかでも光はあると
君が真に求めるのならば



©2015  緋月 燈


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