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美しく甘いもの


北海道出身の友人が語ってくれてた、甘納豆入りのお赤飯。

食べてみたい・・・。
リクエストしていたら、作ってきてくれた。

艶々のピンクの餅米。
お赤飯と甘納豆の優しい色合い。
甘すぎず、こま塩の塩気がちょうどよく合う。


シンプルな春慶塗のお重に入れてみようか、と思ったけれど、
明治の初めに生まれた曾祖母の使っていたお重に入れてみた。
普段はお菓子を入れることが多いが、
こんな可愛らしいお赤飯にちょうど良いようだ。


甘いお赤飯の話を聞いたときの衝撃は、香川県出身の友人が、あんこの入った丸餅でお雑煮を作ってくれた時以来だ。
白味噌とあん餅はとても相性が良かった。
日本の中に、まだまだ知らない味があることが楽しい。


「うまい(うまし)」が転じて「あまい(あまし)になった。
「うまし」は、「美し」と書く。


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日本人の器用さで作られる、自然を題材にした美しい食べ物。
美し・・・うまし。

牡丹、躑蠋、紫陽花、藤、君子蘭、一薬草・・・。

練り切りの美しい色形もさることながら、
植物の名前も漢字にすると趣がある。
四季のある日本ならではの、名前の繊細さを感じる。

紅葉、楓、雁を使った干菓子。

「雁渡る」は秋の季語。
「雁帰る」は春の季語。

和菓子の「落雁」や、
高級茎茶の「雁が音(かりがね・玉露や高級な煎茶の茎の部分を集めた茎茶)」
にも結びつくと聞くと、日本語の深さを感じる。

昔話に「雁は海で休むための枝をくわえて渡をする」という言い伝えがあり、その枝とお茶の茎をかけたのが「かりがね」の名の由来と言われている。

玉露の旨味、甘み。
雨の日の楽しみに。

氷出しの玉露を作ろう。
爽やかな葛切りや、錦玉羹。
美しい琥珀菓子。
これからの季節の楽しみに。









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