見出し画像

ママをやめたいママ

9時のニュースで「ママをやめてもいいですか?」という映画について取り上げていた。
アンケートで、ママを辞めたいと思ったことがある人は77パーセント。
あとの23パーセントは、やめたいと思ったことがないんだ・・・と思った。

両親と同居していたり、いろいろな条件の違いもあるのかも知れない。
役所の母子保健係で働いていたときには、誰かサポートしてくれる人はいるか?は、保健師さんが妊産婦を見守る時の最重要項目だった。

私自身、子供が大きくなって友達に近い関係性に変わり、当時の幸せな場面だけを切り取ってお話しできるけれど、それはある意味ペルソナ的な一面でもある。
幸せな瞬間もあったけど、苦しい時も同じくらいあって、でも、今はネガティブな部分は取り払って、幸せな瞬間を繋げられるようになったのだ。

夜中に辛くてどれだけ泣いて、朝になってこんな生活がいつまで続くのだろう・・・・と苦しくて、
でも、子供のふっくらとしたほっぺを撫でると落ち着いて。
そんな繰り返しでもあった。
一時期流れたオムツのコマーシャルのワンオぺ育児は、私の中のリアルでもある。
見た瞬間に涙が溢れた。
あれは、かつての私だった。

「ひとりじゃないよ。」と言われても、ひとり。
両親も他界していて誰にも頼ることができず、夫は気がつかず・・・。
産後も寝ている時間などなく、床上げって何?という毎日。
今も、そういうママはたくさんいると思う。
一人でご苦労されている方もたくさん。

友達の中でも、「子育てより、外で働いている方がずっと楽!」というママは多い。私も、正直そう思っていた。

不妊治療を長くしていて、母親になるのが夢だったのに。
叶うまで6年かかったのに。
「今回も残念でした。」
と何度も言われ、病院から帰る電車の中で泣いてしまっていたというのに。

365日休みなしで要求に応え続けることは、大変なのだ。

そこに何かアドバイスをされても混乱してしまうのがわかっていて、相談するより籠ってしまいたい。1日でいいから、誰の話も聞かずに休ませてほしい。一人になりたい・・・これが、私が当時かなえることのできなかった願いだ。

しばらく一人にしてほしい  =  ママをやめてもいいですか?

なら、幾度となく思った。

仲間と子育て話をシェアして楽になることもある。
同じような悩みを抱えている人が他にもたくさんいると思うことで、救われることがもちろんある。大事なことだと思う。

その一方で、子供は千差万別で、自分にしか乗り越えられない壁もやってくる。
2人以上子供がいればそれぞれの特徴も違い、接し方も変えなければうまくいかない。

ただ、黙って聞くことで、ママたちの頭を整理してもらえる場所を作れたらいいな、と思う。  そんな時、「森のイスキア」の佐藤初女さんを思い出す。祈りのこもったおにぎりを思い出して、本を開く。


客観的に、自分と子供の関係性が見られるようになるのは、難しいことだ。

アートセラピーで子供と自分の関係性を見ていく時には、まず、自分と親の関係性がどうであったかを絵から読み解いていく。
親と自分との関係を、自分と子供との関係で繰り返してしまうことが多いからだ。人に頼れないことも、そこに起因している場合がある。

小さいときに手がかからず、逆に思春期に大変な子もいるし、発達の仕方が緩やかであればまた心配もある。
今は、家庭環境も様々で、愛があってもすれ違ってしまうこともある。
ママは、気が抜けないのだ。やめてしまいたい!と思うことがあるのだ。
それでいいんだと思う。

子供が痛かったり、辛かったりする時には決まって「ママー!」「おかあさーん!」と叫ぶと聞いたことがある。どんな母親であったとしても。

書くこと、描くことを続けていきたいと思います。