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惑溺

眠ってしまったら、
明日が来てしまう。
朝が来てしまったら、
今日を恨んでしまう。


陽の当たらない
ブランコの向こう。
遠くから見てた
あの顔もその顔も
嫌いだった。


後ろで見てた
みんなのゲーム。
私の番はね、
来なかったの。


あの頃の
胸の痛み、
もうない。
何もない。
感じない。


恋は解る。
愛は解らない。
愛した事も
愛された事も
ないから。


甘えたいから
甘えられると
違ったなって
冷めてしまう。
勝手だけれど。


全て差し出したら
そのおもちゃは
貰えますか?
私も欲しいんです。
そのおもちゃが。


身体の半分
あげるから
身体の半分
私に下さい。
心も砕いて
あげるから
私に下さい。


何を喋っても
何を唱えても
無意味だと思う。
この口から
言葉が出るのが
酷く苦しい。


触られるのも
見られるのも
言葉にするのも
もう嫌なんだよ。


諦めていた生命。
君のせいだよ。
惜しくなるのは。
君がいるから。


あの日、あの時、
忘れられた影。
世界を呪った事、
ありますか?



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