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【Vol.2】国境や文化を超えて、LUMIXを世界へ届ける「海外マーケティング」の戦略と苦悩の話

LUMIXの海外マーケティングに携わるメンバーが語る、海外マーケティングの活動や各国での活動、戦略や苦労の話。

本記事は「欧州編」となるVol.2です。

▼Vol.1(成り立ち編)はこちらから!


欧州のマーケティング活動

欧州メンバーとの集合写真

欧州チームは、2002年2月度よりLUMIX欧州本部にて欧州全体のマーケティングを担当しています。

メンバーは現地のイメージング事業責任者と日本人出向者で、二名で欧州市場と対峙しています。

右が私です

欧州でのLUMIXの立ち位置

実は欧州ではコンデジが根強い人気で、国によっては今でもトップシェアを誇っています。

ミラーレス一眼においても一定のシェアを過去から獲得しており、マイクロフォーサーズのGHシリーズがやはり代表モデルとして知られていますね。特に、GH5は欧州のYoutuberやクリエイターが使っていた「神機」と今でもよく言われます。

よって、LUMIXに対するイメージは「動画に強いカメラブランド」といったところでしょうか。これはグローバルで共通かもしれません。

このイメージは、Sシリーズを販売してからも変わらない「普遍的なブランドイメージ」といって間違いないでしょう。

欧州マーケティングの実績

フランスでは過去からミラーレス一眼において一定のシェアを獲得し、イギリスではフルサイズのシェアが最も高く、ドイツではコンパクトに強い・・・と、欧州は担当している国も多く、各国で活動や実績が異なります。

しかし、LUMIXはここ数年で、英独仏におけるフルサイズミラーレス一眼において「最も早い速度で成長を遂げているブランド」です。

国毎にバラつきはあるものの、S5シリーズ以降、多くのお客様にフルサイズ機をご購入いただいています。

特に動画性能を軸に評価をいただいており、画質や手ブレ補正の点においては、他地域と同様に高く評価されています。

欧州マーケティングの戦略

こちらはドイツで開催された展示会の様子

LUMIXは欧州市場ではまだまだチャレンジャー。超マイナーブランドであることを理解し、「自分たちが何者であるか」「どういったお客様に愛してもらえそうか」を考えながら戦略を立てています。

現在の強みは「写真と動画のハイブリッド機であること」と認識し、「ハイブリッド機を求めるクリエイターの創作活動に貢献できる」と信じて、LUMIXの販路を開拓しているところです。

その中で、大まかな戦略や考え方、活動は以下の3つになります。

1.ユーザーが店頭に来る前にどれだけリーチできるか

これを前提に、欧州のマーケティング活動は全て組み立てられています。1000ユーロ(2024年1月現在で日本円で約155,000円)以上もする高い買い物を、なんの下調べもせずに店頭で購入するお客様はほとんどいませんから。

ましてや、私達のようなチャレンジャーブランドの商品は、店頭勝負では振り向いても貰えません。

なので私達のバトルフィールドは間違いなく店頭より前の段階で「いかに潜在顧客と直接タッチポイントを作れるか」にあると考えています

2.既存ユーザーはもちろん、他社ユーザー攻略がカギ

LUMIXユーザーの母数はまだまだ少ないです。事業成長のためには「初フルサイズユーザー」、そして「既存他社ユーザー」の2点を重要視し、どのようにオンラインカスタマージャーニーの中において認知を広げられるかを工夫しています。

これらのターゲットに認知されるために、様々な宣伝広告などを活用しています。詳細はあまり言えませんが、商戦期前後での狙いを明確に変えた仕掛けを作ったり、どこからどこへカスタマージャーニーを繋げたりと、PDCAを回し、失敗を繰り返した後に見出した方程式に基づいて実施しています。

3.YouTubeにおけるマーケティング活動を最重要視

こちらの動画は欧州チームで制作しました。

動画性能を強みとするLUMIXと親和性の高いインフルエンサーと連携し、オーディエンスの共感を引き出す活動をしています。

ただ単に多数のフォロワーを抱えるカメラ系インフルエンサーではなく、LUMIXの特徴が最も響きそうなオーディエンスを抱えているインフルエンサーをメンバー自ら探しあて、依頼しています。

探し当てたインフルエンサーには、カメラについてだけではなく当社の考えを直接伝えることによって想いを共有し、それらが作品の熱と共に露出し、多くの人々へ伝わっていくことにこだわっています。

そのために、毎日様々な言語のインフルエンサーをオタクのように見まくっています。良い候補者がいたら関係者と話し、合意したのちアプローチ、その繰り返しです。インフルエンサーの情報量においては誰よりも持っている自負があります。笑

欧州マーケティングで苦労したこと

欧州といっても各国で文化的特性が異なるため、「苦労」を一概に一つに括ることはできません

そして、「一概に統一したマーケティング方法を全ての国に適応させて実行する」というのは、各国の担当者からの強い反発もあり、今まで誰も実行してきませんでした。

ある国には静止画に根強い文化があり、ある国では動画文化が浸透してきている。また販売価格幅においても国別に特徴があるため、低価格帯の販売シェアが大きい国、またその正反対の高価格帯商品がよく売れている国、さらにディーラーの特徴も各国本当に様々です。

ある国では私達の活動を真っ向から拒否されたこともあったりと、マーケティング投資がバラバラだったこともありました。

「このままではだめだ!LUMIXの未来はこない」と考え、心を鬼にし、嫌われようとも様々な施策を、現在は欧州統一で実行し、覚悟をもって進めています。

あくまで私達のマーケティング起点は国ではなく、自分たちのアイデンティティと、それに呼応したターゲットの理解に基づいたマーケティングアクションを実行することが重要だと信じています。

今後の展望

欧州における業界シェアの倍増を目指し、他社様のカメラも含めて「様々なカメラの選択肢」をお客様に提供できることが、写真・動画業界の成長に貢献できることと考えています。そしてもちろん、LUMIXを愛してご購入いただいたお客様へ、その成果を還元していきたいですね。

(続きます)

次回は、中国のマーケティングチームから戦略や苦労についてお話しいただきます。

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