シェア
三八〇ルミヲ
2021年3月6日 15:12
桃子は私の職場の看板娘で、切れ長の二重の目とハーフのような幅の細い鼻を持った、ショートカットの女だった。裾をざっくり短く刈り、きれいな左右の耳の全形を晒したそのヘアースタイルは、汗と根性と青春の体育系女子の爽やかさがあった。 挨拶がきちんとできる気が利く女で、上司からも同僚からも愛されていた。化粧っ気がなくても輝きがあり、私も前からいい子だなと思っていたが、恋愛の対象というより、職場の花のイメ