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はじめての西洋美術 印象派 02

 おはようございます!久しぶりの良い天気ですが、今年こそ焼けたくないのでひたすら家にこもっています(笑)

 さて今回は、印象派といったらこの方、クロード・モネについて紹介をしていきます!実は「印象派」という言葉も、第一回印象派展に出展された、モネの「印象、日の出」という作品を見た批評家が皮肉ったことが由来とされています。その有名な作品がこちら↓

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 大胆な抽象化がなされ、近くで見ると、一瞬なにが描いてあるのかわからないような本作は、これまでのアカデミスムの模範的な作品と比べて、斬新すぎる作品でした。

 モネが作品を描く上で着目していたのは、モチーフの造形そのものではなく、自然光によってもたらされる色の移り変わりです。

 この自然光の絶妙なニュアンスを表現するために生み出されたのが「筆触分割(色彩分割)」という技法です。まず、自然界に存在する色は、赤・青・黄の3つの色からなるという光学理論に基づき、原色かそれに近い色のみを使用します。また本来は存在しない「絶対黒」(真っ黒)の使用を禁止します。そして、色を重ねるのではなく、細かな筆で隣同士に色を配置していきます。

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        ↑散歩、日傘をさす女性 クロード・モネ

 このルールに従って描かれた絵は、近くで見ると色の集合体にしか見えないが、カンヴァスからやや離れたところにいる人の網膜には、画家が意図した色が認識されるようになります。
ex.緑を表現したい=黄色と青を細かなタッチで並置させる など

 実は、モネが着目した色の移り変わりの背景には、ある技術的な進歩があったのです。それは「絵の具チューブの誕生」です。これまでの画家たちは絵の具を屋外に持ち運ぶ手段がなかったため、色付けは屋内のアトリエで描くことしかできませんでした。しかし、絵の具チューブが普及されるようになり、屋外で絵画を制作することができ、美しい自然光を表現できるようになったのです。

 この「筆触分割」や「絵の具チューブの誕生」は、印象派のルノワール、セザンヌ、ピサロなどの作品にも関わる大きなポイントとなっています。

 今回の解説は以上です。なんとなくぼやっとしていたモネの作品も、背景を知ると、作品の深みが増してきますね。それではまた!




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