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これからの関係

ひとり暮らし時代の私の家を知っているのは、彼しかいない。出会った時の私たちは同じくらいボロボロで、傷のなめ合いのように飲酒して寝た。酔いに任せて電話をして、終電で呼ばれたことも呼んだこともあった。

お互い社会人になりそんなことはなくなったけど、数年に一度連絡が来て会う関係は出会って11年が経った今でも続いている。

「元気?」「変わらずかな」
「そっか」「ホテル行く?」「行こ」
あの頃と変わらず会話はそんな感じ。

私に関心のない人と居ることは心地いい。知らなくていいことは言わなくていい。大人になっての人間関係はこれくらいがいい。それ以上なんて疲れるだけ。一度だけ、彼に尋ねたことがある

「どうしてときどき連絡するの?」「君は楽だから」「それはうれしいね」

こういう関係は楽がいちばんだ。それなのにいつからだろう。疲れるようになってしまったのは。自分自身がちっとも満たされてないと気づいたのは。私をここまで生かせてくれた彼を除いた関係すべてを断ち切った。

相手に興味がない人がすき。口数が少ない人がすき。それでも寄り添う言葉をかけてくれる人がすき。背の高い人がすき。ひとつでいいから趣味の合う人がすき。

自分がちゃんとすきだと想う人と一緒に、わたしはこれから楽になる。

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