タイドラマ〜BLというより恋愛サイドから切り込む「ともだち」という名の危うい境界線の話

ああ、この人とは恋愛絡まない方が絶対うまくいったな。そんな経験のある人、いるのではないだろうか。

この子、すごくいい子なんだけど、恋愛観が全く合わないな。そんな友達、いるなぁという人、いるのではないだろうか。

これでもか、とろくでなし満載で描かれるタイドラマ「Friend Zone」は、そんな友達と恋人の境界の曖昧さが嫌というほど盛り込まれているタイドラマなのである。ここはBLとか男女とかそういう区分けではなく、あくまでも「友情と愛情の境界は何なのか、どこなのか」という問題に切り込んでいる。

確かに、大好きな友達、親友、恋人、元恋人、それぞれのセクシャリティのあり方が違うとしても、好き、愛する、愛される、愛を受け取るということに何か違いがあるのだろうかと思わされる。

友達と恋人とを分けるものは、一体何なのか。

物語の核となるのが、シェアハウスで暮らす友人同士の、BoyoとBoomとStudという女二人男一人という組み合わせ。

※一部名前の綴りが違うところがあると思いますが、ご容赦を・・・

Boyoはバリバリ働く母親とは対照的に仕事が3ヶ月と持たない堪え性の足りない女の子。美人だけれど、彼氏からは朝ごはんにイチャモンをつけられ、ふわふわした実生活をなじられて、いきなり別れを切り出されるような男運ナシの子。

一方Boomは背が高くて美人、その容姿を生かしてモデル(と言っても街頭で呼び込みをするようなキャンペーンガールが主なのかな)をしているが、彼氏はアロハシャツを売っている適当な男で、約束を守らないルーズ男。いつも待つのはBoomの方で悪びれない彼氏を責めながらも、結局は許してしまう、というちょっと舐められがちな女の子。

そしてStudはゲイで、シェアハウスに男を連れ込んではいかがわしいことを繰り返す超遊び人。特定の恋人を持たず、その場限りの関係を楽しんでいる。BoyoとBoomと友人関係だが、そのいい加減さに呆れられている適当な男。

この３人を取り巻く友人としてシントーくん演じるEarth、彼の長年のパートナーで医者であるSamというBLカップル(可愛いイチャコラ満載)。

Boyoが慕うバリバリ働くAmと、フリーランスを自称し適当な暮らしをする恋人のBern。

そしてBernの後輩で、Studの後にシェアハウスに越してくるイケメンプレイボーイのGood。これらが主な登場人物。

それぞれ友人という間柄がほとんどなのだけれど、その恋人を織り交ぜくっついたり、離れたり、なじったり、呆れられたり、本当に忙しい。もう感心するくらい、入り乱れて、くんずほぐれずで、関係性がごちゃごちゃごちゃごちゃしてくる、面倒臭さ全開の恋愛ストーリー。

とにかくBoyoにもBoomにもAmにも、それを取り巻く男たちに全員に言いたい。

別れた恋人とかもうほっとけば?

なのだけれど、やっぱり慣れた相手にほっとするのか、とにかくみんな元彼元カノにすがりつく。もうその男よくない?と思っちゃうのだけれど、何かの拍子に元サヤになったり、まだうじうじ好きだったりする。
そんなみんな未練あるもの?

そんな感じの男女たちなので、貞操観念もやや緩め。酔っ払って盛り上がって、とか、落ち込んでる時に慰めてくれた、とか、ふとみたら隣にいた、とか、そんなんで良かったっけ?というお手軽な理由で、"そういうこと"になっちゃう。その果ては、一筋縄ではいかないことが待ち受けているのだけれど、はてさてそれはドラマを見たときのイライラ要素として取っておいて欲しい。

ただし。

これまた抜き差しならない理由で、のっけからラブラブで安定していたEarthとSamの関係がおかしくなりかけてしまうのだけれど、この二人には是非とも元に戻って欲しかった。何と言ってもEarth演じるシントーくんがいい。

彼の役柄の定番、正義感が強くて優しくて友達思いのEarth。前半ではその天使のような態度と微笑みがみんなを癒していたのだけど、Samとの関係がおかしくなり始めた頃から、これまで見たことないような意地悪な顔を覗かせてくる。人間のふとした心の隙間に湧く悪魔。これがもう何とも耐え難く、早くEarthくんに平和を!と願わずにはいられなかった。

シントーくんには不動の恋人クリスくんがいるとは言え(不動の人気ドラマ「Sotus」参照)、キャラが全く違って今回は天使のような受けキャラなのでこれはこれで新たに悩ましい。

そして、主役の一人であるBoyoちゃんは美しいけど、結構いい加減で、なぜか男絡みのトラブルに巻き込まれがち。
序盤ですでに、新たなルームメイトGoodといい感じになっちゃって、酔った勢いで・・・という定番の失態を犯してしまう。

この後、「別に好きでもなんでもない。あれは過ち。友達でいましょ」とお互いにさらっと「なかったこと」にするのだけど、そんなわけいかないでしょうよ。

そしてこんな天使の微笑みを浮かべる、黒木華似の彼女ともちょっとした修羅場、あります。

Boyoちゃんは不貞腐れて怒ってる顔しか思い浮かばないくらい、いつも怒ってるしムッとしてる。でも、美人。不思議と。

このシリーズ通して描かれる、友達と恋人のボーダーライン。
体の関係があるのかないのか、気持ちがあるのかないのか、そんなのでパキッと割り切れないのが人間。

なんて言ってる先から、傷ついたBoomを優しく慰めるEarthとのこんなシーンも登場。ますます問いかけられる。友情って、愛情って・・・何?

思うのだけど・・・異性の友達でこんな風に優しく慰めてくれて、絶対におかしな関係にならないって、最強なんじゃないか。ここには恋愛感情のない同姓の友達にも感じない、独特の安らぎがある気がする。

これは友情?れっきとした友情関係?!わからない、このシーンだけ見たら、完全に恋人同士ですけど。しかもBoomの恋愛対象は男性。成立するか否かはお互いの気持ち次第、なのだろうな。

なんだかんだ言って、Goodが惚れちゃうこの女子↓が一番魔性の女、なのかもしれない。友達恋人の間で行ったり来たりしている間に、一つ上のところから愛と恋と仕事とを整理して区分けしてる感じ。最後に勝つのはこういう理性的な女なのか。ただ幸せかどうかは別問題。

このドラマに出てくる女子たちはみんな美しい。ちょっと感情に流されすぎちゃうところが難点だけど、それも若さゆえと思えば可愛く見えてくるかな。

 まずはBoom演じる、Namtanちゃんはついこの間Kristくんとの共演「WHO ARE YOU」に出ていたけれど、この時とまた全然イメージが違う!

清楚で不幸な女性から彼氏に堂々と文句を言う強気な小悪魔まで、幅広い演技力。すごい。

Am演じるのは、Ayaさん。わかりやすいセクシー美人(右側)

Boyoちゃん演じるPraewaちゃんはインスタを探したけれど、ヒットしなかった・・・。

この女性陣と最初から恋仲である男性陣には今ひとつ響かなかったけれど、さすがタイドラマ。見れば誰か素敵な人に巡り合えると言うHappyジンクス健在。

今回はプレイボーイのGood演じる、Leeくん。Boyoちゃんにフラフラしながら自分は好きな人がいると言う。そして適当にワンナイトラブを楽しめちゃう男がハマり役。ちょっとチャラそうだけど、全方位イケメン。

そしてもう一人。Boyoと仲良しで、最初男女３人のシェアハウスに住んでいたStudくん。ゲイを公言していて、その場限りの適当な恋愛を楽しんでいる遊び人。ただその胸の奥にはとても複雑な思いを抱えている。そんな複雑な男の子を演じるのは、Plustorくん。

この方は役柄や映り方によって随分印象が変わるのだろうなと思うインスタの写真たち。ちょっとこれから注目したい。

早速注目タイ俳優さんたちはフォロー。ドラマを見るたびにフォロー数が増えていく。幸せ。

説明するまでもないけど、Earth演じるのは売れっ子俳優のSintoくん。

基本的にはKristくんとお幸せに、なのだけど、この「Friend Zone」の小悪魔シントーくんが良かった。「Sotus」のコングホップとは違って、このドラマでは彼氏の愛情が少ないと思えることや、旅の計画に一向に協力してくれないことに不満でむくれてしまう乙女な一面を見せていて可愛らしい。

考えてみると、魅力的な人てんこ盛りドラマなのだな。

BoomとAmの彼については発言は差し控えるけれど、どうかお察しを。

とりあえず、落ち着くところに落ち着いたシリーズだったけれど、何と続編が用意されているらしい。

「Friend Zone 2 Dangerous Area」だって!デンジャラスってどう言うこと?

この予告を見る限り、シーズン1にいたるまで、そして1から2年経過(?)した世界が描かれ、さらに友情と愛情がごちゃつくらしい。
シーズン1の前の世界を見る限り、やっぱりそうかと言う展開がもりもり。

予想はできるけれど、勘弁してー!

と言いながら、見ちゃうんだろうな。

興味のある方は、シーズン1をぜひ見ておこう。

このEP1だけは日本語字幕選択可能。後は頑張って英語字幕でレッツトライ。多分、途中途中訳し切れていないところがあると思われるけれど、まあまあ大体イケる。雰囲気で大丈夫、多分。

私は途中、どうしても意味不明で、何となく知っといたほうがいいかと思われる会話については、書き写してイギリスへ海外赴任しているお友達に聞いちゃいました。そんな心強い友がいる方はなおさら英語字幕でタイ沼へ!

※一部画像をdailysiaさんからお借りしました。