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ラブコメドラマ「おカネの切れ目が恋のはじまり」。人の幸せってそれぞれ

残念ながらおそらく回数を縮めてお送りすることになるだろう新ドラマ「おカネの切れ目が恋のはじまり」がはじまった。

主演は松岡茉優さんと三浦春馬さん

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清貧をモットーとし、決して無駄遣いをせず、慎ましく質素に暮らす女子九鬼玲子(松岡茉優)と、社長の息子で溺愛されて育ち、お金の苦労など一切知らない能天気な浪費男子猿渡慶太(三浦春馬)のお金と恋のものがたり。

昼はお弁当、合間のプチプラお菓子を唯一の贅沢として噛み締める清貧女子玲子は有名玩具メーカーの経理部で粛々と業務をこなす日々。
その玲子が指導係として世話することになったのが社長の息子猿渡慶太。その浪費癖とやる気のなさで営業部から異動になってきた。
お金の頓着が一切なく好きなものを好きなだけ買っている人生の彼と玲子は何もかもが噛み合わない。彼の呆れた金銭感覚をまざまざと思い知った玲子は指導係変更を申し出るのだったが・・・

玲子の生きがい

清貧をモットーとする玲子が心の拠り所としているのは、その見た目の良さでテレビでも引っ張りだこの公認会計士の早乙女(三浦翔平)。彼の公開講座を聴講することが生きがいなのだ。

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いやぁ、なんか胡散臭いけど・・・玲子は毎回うっとりとした表情でメモを取りながら聞いている。玲子の清貧ぶりは徹底したものなんだなと思うのだけど、第一話の後半で玲子の的外れな熱狂ぶりが明かされる。
これが永遠1時間語られたことと「いやいや違くないか?」とこのドラマの迷走ぶりを最大に匂わせていい味を出している。

一方、何不自由なく暮らし、値札を見て買い物をしたことなど一切ないお坊ちゃん猿渡慶太。ただし、彼は彼で手に入らないものに苦悩している横顔が透けて見えたりして、この辺りが彼の人生の転機となる出来事に関わってくるのかな。この手の脳天気なキャラクター、ちょっと苦手なのだけどこれから裏のシリアスな部分も出てくるパターンなのかも。

1話目の肝となる純くん

そして、玲子がいつもその丁寧な経費精算書類を心の中で絶賛している、営業部のエース板垣純(北村匠海)。こちらは社会情勢を一身に背負った設定で、奨学金の残高200万超え、幼い兄弟を抱える一家は毎月の支払いにも困るほど困窮していて常にお金のことを考えている。必死で副業をするものの焼け石に水。慶太とは対極にいる貧乏男子。

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問題を抱えていることを経費精算書類からいち早く見抜いた玲子が、彼を励まし何とか立ち直らせようとするのが1話目のエピソード。

経理、と言うおしごと

この辺りの流れだけをみると、NHKドラマ多部ちゃん主演の「これは経費で落ちません!」を思い出してしまう。多部ちゃんも松岡茉優ちゃんもこう言う役をやらせたら本当にうまい。

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中でも、玲子が板垣純が提出する経費精算書類を褒め称えるシーンは、同意しかない。

他人が見てもわかりやすく、要望したことを全て満たし、丁寧に扱っている人の書類と言うものは見ていて気持ちがいいものだ・・・「いちいち細けぇなぁ」と言う人の書類は全体からその匂いが漂っているもの。
みなさん、提出書類は丁寧に扱おう。

なんてことはともかく。

玲子がなぜそこまで清貧にこだわるのか、そして与えられたマンションを売却され、カードも止められ家もなくなった慶太が、玲子に渡された「お小遣い帳」を通して、どう言う心境の変化が訪れるのか。

今後に寄せて

「恋のはじまり」であるから、慶太が玲子に魅かれ、そしておそらく純も玲子に魅かれていくだろうことはわかるけれど、長らく一点しか見つめていない玲子にどんなアクシデントが待ち受けているのか。

主演の慶太は代役を立てず、これまで収録したものと他の出演者のみでストーリーを書き直すとのこと。どんな結末になっているのか、これはドラマ作りの手腕が発揮される局面になりそう。

ありきたりな感想にはなるけれど、ただのガチャガチャしたラブコメに止まらない、いろんな人が何かしら抱えている設定だっただけに、従来のストーリー展開にならなかったのは残念に思う。
相関図では、松岡茉優演じる玲子の父親はハテナマークになっていたので、この辺りの配役も今後注目(もしかしてカットされてしまうのかもしれないが)。

こう言うものを拝見するとつくづく、俳優と言う職業の運命を思う。多くの人の目に触れる場所に露出している人ほど、肉体の存在に関係なく生き続けていくのだろうか。

長らく活躍している方など、訃報を聞いたとしてもしばらくするとその事実が曖昧になってくる。

今回も不思議な気持ちになりながら、現実とはまた違う、役柄を通しての俳優さんを目にした。真実は全くわからないものの、このドラマは最後まで面白さを貫いて欲しいと感じた。




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