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「花火のため息」―「夏の残り火」企画応募作品

夏が 逃げていく。ボクの 恋の花火も湿りだした。
そこで いつか君と一緒に行った 八幡神社のお祭りの日をおもいだした。
 ひとり 神社で花火遊びをする。心に溜めた寂しさ 愁い スキの言葉は 
煙となって暗い夜空 昇っていく。
パチパチシュシュという音は わが身を燃やす線香花火のようだ。
その燃える姿はまるで 自分の恋ダイアリーが 燃え尽きて 行くようだ

ボクは 深いため息を炎に吹きかける。手持ち花火の 淡い炎の中に 
あの人の絵姿が なまめき優雅に浮かび上がってくる。ボクは 
昔の幻燈を ながめるように目を大きく開いて しっかりと
君の幻影を見つめる

あの人は 長い髪をポニーテールにして、大きな目に 光を溜めて居る。まるで大空の 流星群を眺めた時のように 細い指を口元に当てている

涼しい夏の風が吹き 夏がボクにささやく。{もっと花火に火をつけないと
あの人の姿は 消えてしまうよ。 急がないと! 私は 後少しで 南に帰ってしまうから あの人の行き先を探せるのは、今しかない!}
ボクはありったけの 手持ち花火に 一心不乱に火をつけ続ける。暗闇の中に赤や蒼色 黄金色の 小さな夢の街が誕生する。 その街は 見覚えがある!! あの鐘楼を覚えている!!
そこで 花火は終わり、闇が戻り、夏も去ったようだ
翌朝 ボクは旅の衣をまとい、リュックに花火と蝋燭をいれて、あの人の街へと向かう。
自分の 恋心の残り火を もう一度 明るいランプの光にしたい

藤家秋さんのスピンオフ企画「夏の残り火」に参加させて
いただきました。藤家さん またまたおせわになります

#藤家秋さん #夏の残り火 #賑やかし帯 #ネコミミ村まつり #二次創作 #スピンオフ企画 #夏の終わり #線香花火 #忘れられない恋物語


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