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「星 捕まえた!」詩ー#シロクマ文芸部「流れ星」参加作品

「流れ星 今夜 捕まえにいきたい!!」
幼稚園児 彩ちゃん 突然 大張り切り
「父さん 一緒にいこうよぉ」
TVで ペルセウス流星群が
今夜 降り注ぐというのを
お兄ちゃんから 教えてもらったらしい

「お星さま 飼いたいの
クラスの皆にも見せてあげたいし」

お兄ちゃんの 大きな虫取り網と
飼育ケースを抱えて
ナイキのCAP被れば
カッコいい 星ハンターの 誕生だ

夜8時過ぎに 里山に登る
辺りは 真っ暗
月の蒼い息が 空に漂う
森の木や 小鳥たちは
ぐっすりと ねむっている
星々は ビーズ玉をばら撒いたように
チカチカ光り はなしかけてくる
星の 王国の入口は どこだろう・・・

流れ星は 金色の涙のように
夜空を 削りながら
細く 長く 落ちてくる
「父さん 高すぎて 届かない
抱っこしてよぉ!!」

彩ちゃん 慎重に狙って
蝶々を 採る様に
網を フワフワと 何度も振り回す

どれくらい 経ったろう
抱っこしている腕が だるくて
しびれてきた
落ちてくる 星の数は
夜光虫の ように煌めき
ダイヤモンド粒のよう

「彩ちゃん 今日はもう遅くなったから
お家帰ろうか。母さん心配してるよ」

「まだぁ・・・ もう少しやるの!」

突然・・・!
「採った 採ったあ!!」
里山中に 響き渡る大声

カラスたちが 目を覚まして騒ぐ
網の中には 丸く黄色の
卵のようなものが 入ってる

「え~え~えっ~!! 星の子??
ホントに 捕まえたの??」

飼育ケースの中の 星は
ほんわりと 瞬きながら
彩ちゃんに 話しかけてきた
不思議世界の 入口だ

「捕まっちゃったわね。 私まだ
子供だから 飛ぶのになれてないの」
「エッ そうなの 赤ちゃん星なのね」と 彩ちゃん

星の願いで 家に星をつれてかえり
縁側に お花と チョコレートをお供えする
飼育箱から 出てきた星は
いつの間にか 銀色の羽衣を纏い 
金色の目を パチクリさせている

「彩ちゃんに 会えてうれしかったわ
今度 私に会いたくなったらこの
星コインを握って 空に向かって呼んでね」
かならず 彩ちゃんの 心の中に
光りと一緒に 飛んでくるからね」

星の子は 空に向かって 
銀色の光を放つ
そして 白い銀色の雲に乗り
星空に フワフワと 戻って行った

彩ちゃんは 雲が星粒になるまで
コインを握って 手をふりつづける

「さよなら 星さん 来てくれてありがとう 
彩ちゃんも 会えて うれしかったよぉ
きっとまた 会えるよね 今だけバイバイだね」

彩ちゃんは お姉さんになっても
宵闇になると 一人で
里山に 登ることがよくあった
何をしているのかは 「誰にも 内緒」だそうだ

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小牧幸助さんの#シロクマ文芸部#お題「流れ星」
の企画に参加させていただきました。
小牧様 お世話になります

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