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フランス詩を訳してみる

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2020年3月の記事一覧

ランボー「感覚」(フランス詩を訳してみる 25)

Arthur Rimbaud (1854-1891), Sensation (1870)

(中原中也、永井荷風、堀口大學、金子光晴、清岡卓行、粟津則雄、宇佐美斉、鈴村和成の訳を参考にした。)

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前回に引き続き、ルーマニアのピアニスト・作曲家ディヌ・リパッティ(Dinu Lipatti, 1917-1950)が歌曲を作曲しています(1945年)。

チェコの作曲家ハンス・クラーサ(Hans

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エリュアール「きみの眼の曲線がぼくの心を取り囲む…」(フランス詩を訳してみる 24)

Paul Éluard (1895-1952), « La courbe de tes yeux fait le tour de mon cœur » (1923)

きみの眼の曲線がぼくの心を取り囲む、
踊りと甘さの円環、
時の光輪、夜の安全な揺りかご、
そしてぼくが人生のすべてを覚えてはいないとしたら
それはきみの眼がぼくをいつも見てはいなかったからだ。

陽光の葉、露の泡、
風の葦、香り高い

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