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大人になってから急に哲学に興味を持った経緯、そして『史上最強の哲学入門』読了!

どうも、モニカです!


私は滅多に本を読まないのですが、
今回、スルスルと読んでしまった本を紹介します。



『史上最強の哲学入門』 飲茶



元々哲学にはあまり興味がなかったのですが、
あるきっかけで、急に興味を持つようになります。





ちょっと過去を遡ります。



以前も書きましたが、私はインターナショナルスクール出身です。
11年生から12年生まで、IB(国際バカロレア)のカリキュラムをこなしてきました。
その中に、ある必修教科がありました。



Theory Of Knowledge

という教科です。


この教科は、与えられた知識をそのまま受け入れるのではなく、
何かを「知る」とはどういうことか?そもそも「知る」とはなんなのか?

英語でそのまま言うと、

How do we know what we know?

という疑問を突き詰めていく。

これがTheory Of Knowledge (略してTOK) の真髄でした。


これがまぁ〜苦手でしょうがなかったです。
私はエッセイを提出するたびずっとD判定を貰っていました。
対して当時の彼氏は逆にこれが得意で、エッセイを提出したらほぼ毎回A判定をもらっていました。
当時の先生も「今回のエッセイもAからD判定まで幅広かったですね〜」って言っていて、
元彼が「そんな点数幅広かったの?D取ったの誰だろう?」と言っていましたが、

懺悔します、それずっと私でした。


何かを「知る」とはどういうことか、って言われても、

「知ってるものは知ってるんだから、もういいでしょ?」

「今その何かを知っている事が事実なんだから、もうそれでよくない?」

と考えてしまうタイプで、
こういう概念について疑問を持つ、というのがとにかく苦手でした。
まぁ要するに、ぶっちゃけ考えるのがめんどくさかったんです。
しかもこんな主観的な事に対して成績を付けられてしまう、
という事実にもまた腹が立っていました。

このTOKの授業を受けてから、
正直哲学という概念そのものを避けるようになっていました。



それからしばらくした頃、というか最近、
私はあるゲームをプレイしました。



「終遠のヴィルシュ」



以前感想noteを書いたゲームです。

(余談ですが先日のオトメイトパーティーでこの終ヴィルのファンディスクの制作発表があり、めちゃくちゃ嬉しかったです)
その感想記事の最後に、私はこのような事を書きました。


「そもそもリライバーって、
自分の記憶を、自分の遺伝子で作ったバックアップ体にダウンロードして、
自分が23歳で死んだ後、そのバックアップ体が目覚める、ってことですよね。

これって、
結局今の自分、今意識がある自分が死ぬのには変わりないのでは?

ファンタジー路線で、儀式で自分の魂を他の体に移動させる、みたいな感じだったらまだ分かりますが、
あくまでも移動が出来るのは記憶だけなので、
正確には自分の意識は引き継げませんよね・・・?
それでもいいのでしょうか・・・?」


調べていくにつれて、

これは哲学の思考実験、
「スワンプマン」に繋がっていることが分かりました。
ちなみに「スワンプマン 終ヴィル」とTwitterで検索したら、
1人しかヒットしなかったです・・・


似たような思考実験はないかな〜と思い、
ひとまずウィキペディアを開いて「テセウスの船」や「なぜ私は私なのか?」などを調べていました。
調べていくにつれて、だんだんと哲学に興味を持ち始めました。
「もっと哲学について調べてみたい!」


でも



「何もわからない・・・」
ここで私は既に詰んでいました。
哲学についてはっきり言って何も知らないし、入門書なんかありすぎて、
どこから読めばいいかわからなかったのです。


そこで、
まさにこの媒体、noteがあるじゃないか!と気づきました笑
noteの検索欄に、

「哲学 入門」

となんとも頭の悪い検索ワードを入れました笑


すると、ふと目に止まった表紙がありました。

こちらの方のnoteで紹介していた、
「体験の哲学」。

この表紙、

範馬勇次郎じゃん!!!

(言い忘れましたが、
私はバキが大好きです。
まぁアニメから入ったニワカなのですが、
あまりに面白かったため、バキ展2回行きました。散財しました。
好きなキャラは烈海王です。)



すぐこの方の記事を読み、
この本の作者、飲茶さんの本は素晴らしく分かりやすいという事を学びました。

すぐamazonに移動し、
素晴らしく分かりやすいと言われている本、


「史上最強の哲学入門」


ようやくこの本に出会いました。
評価もすごく高かったし、すぐ買おうと思ってました。

ただ一応試し読みだけしとこうと思い、
まえがきだけ読みました。

そうしたら、あの31人の煽り文句と紹介が出てきて、
最初の「史上最強の真理を知りたいかー!」という文を読んですぐ購入ボタンを押してました。


この本、
あまり読書が得意ではない私でもめっちゃ読みやすかったです。
順序立てて説明するのが上手くて、
少し専門用語が出てきても、
簡単でシンプルな例えを出してさらに噛み砕いて説明してくれる。
今まで読んだ本の中で一番頭に入りました。

最初にプロメテウスの相対理論が出てきて、
それに対抗するソクラテスの理論が出てきて、
またそれに対抗する・・・というようなまさに地下コロシアムのバトル方式になっていて、
それぞれのチャプターがスムーズに繋がっていました。


この中で気になった理論を本の1節とともに紹介します。


ニーチェの「超人」

「強くなりたいという意志をしっかりと自覚し、それから目を背けない」

エピクロスの「快楽主義」

「自然な快楽を、自然に満たして楽しく生きていこう」

レヴィナスの「他者論」

「他者とは、私という存在を自己完結の独りぼっちから救い出してくれる唯一の希望であり、無限の可能性である」

ソシュールの「言語論」

「存在とは存在に「価値」を見いだす存在がいて、はじめて存在するからである。」



一瞬、

「学生時代にこの本に出会いたかった〜」
と思いましたが、
むしろ今出会ったからこそ、良かったのかもなと思いました。


学生時代は今と比べて圧倒的に視野が狭かったので、
自分の興味のない分野にはあまり近づきたくなかったんです。どうせ成績も悪いし。
それに読書に関しても、私はいつも時間に追われていました。
なのであまり読書に時間をかけていられず、
読むペースがそもそも遅い私は本を読んでも全然頭に入ってこなかったんです。


社会人になった今だからこそ、
自分のペースでゆっくり読める時間が出来て、
今まで構築してきた人間関係を参考にして、
本の内容をじっくり読み込んで頭に入れる事が出来ました。




ここ最近人間関係に悩んでいて、
他人と関わるのマジで嫌だ!!って思っていましたが、
これを読んで少し価値観が変わりました。
自分がその人間関係の問題に対してどう捉えればいいか、自分の捉え方次第で世界が変わる。
他人を怖い存在とは思わず、他人と関わる事で自分の人生が同時に豊かになる、という考え方をすればいい。
少しだけそう思えるようになりました。



答えのない疑問になんとか答えを見つけようと奮闘する。
時にそれが人を助けたり、人を憤慨させる。
その問題は何千年も前からずっと考え続けられている。
結局その疑問の真髄は今でもそんなに変わらない。
銀河英雄伝説でヤン・ウェンリーが言っていた、
「過去の戦いを見つめることは
 未来の戦いを予測することになる。」
これの意味が少し分かった気がしました。



何度でも読み返したい一冊です。
こんな本には出会った事がありません。

飲茶さん、本当にありがとうございます!!!


そして、

何より、そもそもバキに出会っていなかったらこの本にも辿り着けなかったかもしれません。

板垣先生、本当にありがとうございます!!!


この調子で東洋哲学編も楽しみます。



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